3月20日[土]公開 『鵞鳥湖の夜』

鵞鳥湖の夜公式サイト

『薄氷の殺人』気鋭監督が描く、革新的ノワール・サスペンス

2019年の第72回カンヌ国際映画祭で話題をさらったのは、最高賞パルムドールを制したポン・ジュノ監督作品『パラサイト 半地下の家族』だったが、もう1本、アジア発の衝撃をカンヌにもたらして絶賛を博した映画があった。それが2014年の『薄氷の殺人』でベルリン国際映画祭金熊賞、銀熊賞(男優賞)をダブル受賞した中国の気鋭監督、ディアオ・イーナンの5年ぶりとなる待望の新作『鵞鳥湖(がちょうこ)の夜』である。イーナン監督がフランスとの合作で完成させた今回の新作では、ノワール調のアーティスティックな映像感覚がいっそう研ぎ澄まされ、警官殺しの逃亡者となった男と謎めいたファムファタールが織りなす危ういクライム・ストーリーから、一瞬たりとも目が離せない。主人公チョウを熱演するのは、ジャッキー・チェン主演の歴史大作『1911』のフー・ゴー。
刑務所を出所して古巣のバイク窃盗団に舞い戻った裏社会の男チョウは、縄張りをめぐる揉め事に巻き込まれ、逃走中に誤って警官を射殺してしまう。たちまち全国に指名手配され、警察の包囲網に追いつめられたチョウは、自らに懸けられた報奨金30万元を妻のシュージュンと幼い息子に残そうと画策する。そんなチョウの前に現れたのは、妻の代理としてやってきたアイアイという見知らぬ女。リゾート地の鵞鳥湖で水浴嬢、すなわち水辺の娼婦として生きているアイアイと行動を共にするチョウだったが、警察の捜索を指揮するリウ隊長、報奨金の強奪を狙う窃盗団に行く手を阻まれ、後戻りのできない袋小路に迷い込んでいくのだった……。

監督・脚本:ディアオ・イーナン
出演:フー・ゴー、グイ・ルンメイ、リャオ・ファン、レジーナ・ワン
2019年/中国・フランス/111分/PG12