12月17日[金]公開 『DAU.退行』

DAU. 退行

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ダンテの「神曲」になぞらえた全9章6時間9分、圧巻の黙示録!前代未聞のスケールで「ソ連全体主義」を描き出す、究極の映画プロジェクト第二弾。

本作は、映画史上初の試みともいえる異次元レベルの構想と高い芸術性が評価され、第70回ベルリン映画祭で銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞した映画『DAU.ナターシャ』の続編であり、スターリン体制下の1952年から10年以上が経過した1966年〜1968年が舞台となる。前作ではカフェのウェイトレスであるナターシャの視線で閉鎖的かつ断片的に描かれた秘密研究所だが、今回は一転、カメラは研究所内部に入り込み、様々な人々の複雑な人間模様や共産社会の構造物をよりダイナミックに映し出していく。この秘密研究所では年老いた天才科学者レフ・ランダウのもとで、科学者たちが「超人」を作る奇妙な実験を繰り返しているのだが、西欧文化の流入と共にスターリンが築き上げた全体主義社会の理想は崩れはじめ、人々の風紀は乱れ、腐敗している状況が赤裸々に描き出される。だがそんな堕落を上層部が許すはずもなく、腐敗を正すために、KGBのウラジーミル・アジッポが新所長として派遣される。研究所を監視下に置いたアジッポは、次第に特別実験グループと呼ばれる被験者の若者たちと親しくなっていくのだが…。
本作はイタリアの詩人・政治家のダンテ・アリギエーリによる長編叙事詩「神曲」の「時獄篇」で描かれた9つの地獄の層にちなんだ9章で構成されており、これを観れば第一弾『DAU.ナターシャ』をパズルの1ピースとする、『DAU』の広大な一枚絵が見えてくる。スタンリー・キューブリックの『時計仕掛けのオレンジ』やジョージ・オーウェルの代表作「1984」が描いていたディストピア世界をアップデートさせ、その先の深淵に迫ろうとする本作は、ファシズム、優生学、性搾取、差別、虐殺といった人間の暗部を余すところなく抉り出し、現代社会への警鐘を鳴らす、恐るべき傑作である。

脚本・監督:イリヤ・フルジャノフスキー、イリヤ・ペルミャコフ
出演:ウラジーミル・アジッポ、ドミートリー・カレージン、オリガ・シカバルニャ、アレクセイ・ブリノフ
2020年/ドイツ、ウクライナ、イギリス、ロシア/369分(別途 途中休憩あり)/R18+

※本作には、不快感を与える恐れのある表現や性的な描写が含まれます。予めご留意の上ご鑑賞下さい。また、18歳未満のご鑑賞は固くお断りします。

【上映】12/17(金)〜12/23(木)

【特別料金】一律3600円
※各種割引サービス・会員割引 適用不可
※招待券・会員ポイント使用などの 無料鑑賞不可