かつて「与那国島」はアジアの交易の中継地として栄えてきた。その交流から生まれた文化と、日本や沖縄本島とも異なる独自の言語は島の誇りであった。2021年、世界がコロナ禍に見舞われる中、与那国島は二つの映画を生み出した。島に生まれ育った若き才能が描く望郷の島 『ばちらぬん』。欧州からやって来た気鋭の視点で描かれる日常の島『ヨナグニ 〜旅立ちの島〜』。与那国島を新たな角度から描いたこの作品を通して、国境の島そして復帰50周年の意味を問い直す。
【前売券】全国共通回数券(2回券):2400円
監督の故郷である与那国島の日常や祭事を取材したドキュメンタリーと花、果実、骨、儀式などをモチーフに幻想的に描かれる世界が交差しながら物語は進む。現実とフィクションはやがて溶け合い、ジャンルの枠を超えた映像によって島に紡がれてきた歴史、文化、人々の記憶がスクリーンに映し出される。日本の最西端、沖縄県与那国島の言葉で「ばちらぬん」は「忘れない」という意味をもつ。
監督・脚本・撮影・編集:東盛あいか
出演:東盛あいか、石田健太、笹木奈美、三井康大、山本桜
2021年/日本/61分
【同時上映】特別対談映像(15分)
『ばちらぬん』の東盛あいか監督と『ヨナグニ 〜旅立ちの島〜』のヴィットーリオ・モルタロッティ&アヌシュ・ハムゼヒアン監督の対談インタビューが実現!お互いの作品と与那国島への想いを熱く語る。『ばちらぬん』本編上映後に合わせて上映。※7/2の舞台挨拶付き上映回では、特別対談映像を省かせていただきます。予めご了承下さい。
【上映】7/1(金)〜7/14(木)
【料金】一般1800円、その他通常料金
■日時
7月2日(土)13:10の回 上映後、舞台挨拶
※イベント上映回は招待券不可。
■ゲスト
東盛あいか監督
京都芸術大学映画学科・俳優コース在籍中に、学生映画に多数出演しながら映画について多方面から学ぶ。卒業制作として初監督した『ばちらぬん』が、ぴあフィルムフェスティバル2021のグランプリを獲得。本作では主演や編集、美術なども兼任している。与那国語を勉強しながら発信しており、沖縄タイムス等でコラムも連載。俳優としても活動中。
■注意事項
・新型コロナウィルス感染予防対策を行います。
・ご来館前の検温、ご自身の体調を確認のうえ、発熱や咳などの症状がある場合はご来館をお控えください。
・ご来場のお客様はマスクの着用をお願いします。
・新型コロナの状況により、急遽内容を変更する場合があります。
■予約受付あり
イベント参加のご予約できます。
・劇場窓口 または お電話 からご予約下さい。
・ご予約の際は、お名前とご連絡先をお伝え下さい。
長野相生座・ロキシー[TEL 026-232-3016]
沖縄県与那国町、この島には高校がない。若者たちは中学卒業とともに一度は島を離れることになる。別れと再会を予感しながら、学校生活や豊かな自然で戯れる放課後、思春期の本音が漏れる会話を通して多感な十代の日々が映し出される。そして、失われつつある島の言葉「どぅなん」や伝統文化がゆっくりと若い世代へと受け継がれる様子が描かれる。緩やかで郷愁溢れる国境の島の記録。
イタリア出身の映像作家アヌシュ・ハムゼヒアンと写真家ヴィットーリオ・モルタロッティのコンビが与那国島に初めて訪れたのは2018年。映像や写真、インスタレーションなど特定の媒体にとらわれない形で作品を制作してきた二人は、与那国の言葉"どぅなん語"が日本で最も消滅の危機に瀕している言語の一つであること知る。初めて島を訪れた際、二人は“少数言語の消滅”という言葉の裏には、一つの世界が消失することに二人は気付く。その言語を話す人が少なくなり、その言語で表されていたはずの風景、文化、関係性も消えかけ、変化せざるを得ない局面だった。二人は消失の危機にあるコミュニティの痕跡をたどり未来に託すべく3年間に渡る記録が始まった。その中で映画のカメラを向けられたのは、“日本語”を話す14歳の少年少女たちだった。
監督:ヴィットーリオ・モルタロッティ、アヌシュ・ハムゼヒアン
2021年/フランス/74分/ドキュメンタリー
【上映】7/1(金)〜7/14(木)
【料金】一般1800円、その他通常料金