2023年/日本/137分/PG12
【監督】森達也
【脚本】佐伯俊道、井上淳一、荒井晴彦
【出演】井浦新、田中麗奈、永山瑛太、東出昌大、コムアイ、木竜麻生、松浦祐也、向里祐香、杉田雷麟、カトウシンスケ、ピエール瀧、水道橋博士、豊原功補、柄本明
【上映】10/6(金)~未定
【料金】通常料金
【前売券】全国共通特別鑑賞券:1,500円
関東大震災から100年、時代が逆流する
1923年9月1日11時58分、関東大震災が発生した。そのわずか5日後の9月6日のこと。千葉県東葛飾郡福田村に住む自警団を含む100人以上の村人たちにより、利根川沿いで香川から訪れた薬売りの行商団15人の内、幼児や妊婦を含む9人が殺された。行商団は、讃岐弁で話していたことで朝鮮人と疑われ殺害されたのだ。逮捕されたのは自警団員8人。逮捕者は実刑になったものの、昭和天皇即位の恩赦ですぐに釈放された…。これが100年の間、歴史の闇に葬られていた『福田村事件』だ。
監督を務めるのは、森達也。長年ドキュメンタリーを主戦場にしてきた森が、自身初の劇映画に挑戦する。100年の時を超え、遂に、実話に基づいたかつてない日本映画が公開される。
大正デモクラシーの喧騒の裏で、マスコミは、政府の失政を隠すようにこぞって「…いずれは社会主義者か鮮人か、はたまた不逞の輩の仕業か」と世論を煽り、市民の不安と恐怖は徐々に高まっていた。そんな中、朝鮮で日本軍による虐殺事件を目撃した澤田智一は、妻の静子を連れ、智一が教師をしていた日本統治下の京城を離れ、故郷の福田村に帰ってきた。同じ頃、沼部新助率いる薬売りの行商団は、関東地方へ向かうため四国の讃岐を出発する。長閑な日々を打ち破るかのように、9月1日、空前絶後の揺れが関東地方を襲った。木々は倒れ、家は倒壊し、そして大火災が発生して無辜なる多くの人々が命を失った。そんな中でいつしか流言飛語が飛び交い、瞬く間にそれは関東近縁の町や村に伝わっていった。2日には東京府下に戒厳令が施行され、3日には神奈川に、4日には福田村がある千葉にも拡大され、多くの人々は大混乱に陥った。福田村にも避難民から「朝鮮人が集団で襲ってくる」「朝鮮人が略奪や放火をした」との情報がもたらされ、疑心暗鬼に落ち入り、人々は恐怖に浮足立つ。地元の新聞社は、情報の真偽を確かめるために躍起となるが、その実体は杳としてつかめないでいた。震災後の混乱に乗じて、亀戸署では、社会主義者への弾圧が、秘かに行われていた。そして9月6日、偶然と不安、恐怖が折り重なり、後に歴史に葬られることとなる大事件が起きる。
【イベント】舞台挨拶
■日時
10月7日(土)13:50の回 上映後、舞台挨拶
■ゲスト ※敬称略
荒井晴彦(脚本/企画)
佐伯俊道(脚本)
井上淳一(脚本/プロデューサー)
■注意事項
・イベント上映回は招待券、ポイントでの無料鑑賞不可。
・予約が定員に達した場合、当日券の販売はございません。
・メディアの取材が入る場合がございます。予めご了承ください。
■予約受付あり
イベント参加のご予約できます。
・劇場窓口 または お電話 からご予約下さい。
・ご予約の際は、お名前とご連絡先をお伝え下さい。
長野相生座・ロキシー[TEL 026-232-3016]
■ゲストプロフィール ※敬称略
荒井晴彦(脚本/企画)
1947年東京都生まれ。季刊誌『映画芸術』編集・発行人。若松プロの助監督を経て、1977年『新宿乱れ街 いくまで待って』で脚本家としてデビュー。キネマ旬報脚本賞を『Wの悲劇』(1984)、『待ち濡れた女』『噛む女』『リボルバー』(1988)、『ヴァイブレータ』(2003)、『大鹿村騒動記』(2011)、『共喰い』(2013)で受賞。橋本忍に並んで最多受賞となる。他、『神様のくれた赤ん坊』(1979)、『赫い髪の女』(1979)、『遠雷』(1981)、『嗚呼!おんなたち 猥歌』(1981)、『キャバレー日記』(1982)、『ダブルベッド』(1983)、『海を感じる時』(2014)、『さよなら歌舞伎町』(2015)など多数の脚本を手がける。『身も心も』(1997)で初監督。監督2作目の『この国の空』(2015)で読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞。3作目の『火口のふたり』(2019)でキネマ旬報ベスト・テン1位、主演女優賞。ヨコハマ映画祭作品賞、最優秀新人賞(瀧内公美)、特別大賞を獲得。4作目の『花腐し』が11月に公開。
佐伯俊道(脚本)
1949年東京都文京区生まれ学習院大学文学部哲学科中退。1971年に東京ムービー(現トムス・エンタテイメント)に入社し、演出助手としてアニメ制作に携わる。1972年に東映東京撮影所と契約。演出部に所属。その後、東映東京撮影所契約者労働組合(東契労)の書記長、委員長に就任し、組合の専従となる。助監督として内藤誠、野田幸男、石井輝男、鈴木則文らに師事。1982年フリーとなり脚本家に転身し、主に日活ロマンポルノ、テレビドラマなどを手掛ける。主な映画作品――『連続殺人鬼 冷血』『夕ぐれ族』『悪魔の部屋』『夜の哀しみ』『でべそ』『スクールウォーズ HERO』などテレビ作品として『白旗の少女』『美空ひばり物語』『実録小野田少尉 遅すぎた帰還』『象のいない動物園』など。
井上淳一(脚本/プロデューサー)
脚本家・映画監督。1965年愛知県生まれ。早稲田大学卒。大学在学中より若松孝二監督に師事し、若松プロダクションにて助監督を勤める。90年、『パンツの穴・ムケそでムケないイチゴたち』で監督デビュー。その後、荒井晴彦氏に師事し、脚本家に。2013年、『戦争と一人の女』で監督再デビュー。数多くの海外映画祭に招待される。16年、福島で苦悩しながら農業を続ける男性を追ったドキュメンタリー『大地を受け継ぐ』を監督。フィクション、ノンフィクション、監督、脚本に関わらず、幅広い活動を続けている。19年、監督作『誰がために憲法はある』で平和・協同ジャーナリスト基金賞を受賞。脚本作に『止められるか、俺たちを』『REVOLUTION+1』など。最新脚本・監督作の『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』が来春公開。
〒380-0833
長野県長野市権堂町2255
当館は権堂アーケード通り中央にあります。
★ 電車
・ 長野電鉄 「権堂駅」 にて下車 徒歩約3分
・ JR長野駅より徒歩15分
★ バス
JR長野駅より
・ 長電バス 「権堂入口」 にて下車。劇場まで徒歩3分
・ ぐるりん号
・ 川中島バス (長野駅より、路線10・16・17を推奨)
★ 車
・ 須坂・長野東インター 車で約15分