その悲劇は紙と木で作られた街を襲った
日本人が忘れかけている東京大空襲の悲劇。生き延びた生存者の記憶と証言。十万人を超える犠牲者を出した東京大空襲の生存者の最後の言葉を、オーストラリア人のドキュメンタリー映画監督がいま語り継ぐ。
1945年3月10日午前0時過ぎ、アメリカは東京を襲撃し、木造の家屋や多くの紙材が密集していた東京に火の粉を浴びせた。日の出までに10万人以上の死者を出し、東京の4分の1が焼失した史上最大の空襲であった。
生存者である星野弘さん、清岡美知子さん、築山実さんの3人は、何年にもわたって、公的な慰霊碑や博物館の建設、そしてすべてを失った市民へのささやかな補償を求めて懸命に活動を続けてきた。しかし、日本政府は彼らの訴えを70年間認めようとせず、元兵士たちは国から寛大な扱いを受けている一方で、彼らの要求は今もなお応えられていない。
「ペーパーシティ東京大空襲の記憶」は、この忘れられた悲劇の記録を残すために戦ってきた生存者たちの最後の運動を追った作品である。この作品では、トラウマや記憶、そして歴史を継承する国家の役割について、彼らの悲痛な証言、普段公になることのない映像資料、そして今日のアドボカシー活動の現状を織り交ぜながら探っていく。
本作は東京を拠点にするオーストラリア人映画監督エイドリアン・フランシスの長編ドキュメンタリー・デビュー作。この悲劇で私たちは何を記憶し、なぜ忘れようとしているのか。ロシアによるウクライナ侵攻から1年。戦争の影がしのび込んでくる今、生存者の体験と未来への思いを見つめる。
〒380-0833
長野県長野市権堂町2255
当館は権堂アーケード通り中央にあります。
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