《8月の予定作品を見る》

 

↓7月の上映予定作品↓

7月1日[金]公開 『白い牛のバラッド』

白い牛のバラッド

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罪と償いの果てに彼女が下した決断とは―
衝撃の冤罪サスペンス

愛する夫を死刑で失い、ろうあの娘を育てながら必死で生活する妻ミナ。1年後に突然、夫の無実が明かされ深い悲しみに襲われる。賠償金よりも判事に謝罪を求める彼女の前に、夫の友人を名乗る男レザが現れる…。ミナは親切な彼に心を開いていくが、ふたりを結びつける“ある秘密”には気づいていなかった。罪と償いが交錯した果てに、彼女が下した決断とは――。センセーショナルな大反響を呼んだ『ELLE エル』『プロミシング・ヤング・ウーマン』に続き、理不尽な社会に立ち向かう女性の姿を巧みに描いた本作。感情を揺さぶられるラストシーンは、究極の問いかけがこめられている。

第71回ベルリン国際映画祭で金熊賞と観客賞にノミネートされ、批評家からはイランの名匠アスガー・ファルハディの傑作に並ぶと高く評価された。監督のマリヤム・モガッダムとベタシュ・サナイハは本作が2度目の共同監督。主演のミナ役も務めたモガッダム監督は、シングルマザーの生きづらさ、不条理な社会と闘う女性を見事に演じ、各国の映画祭で絶賛された。イランの厳罰的な法制度を背景に、現代の闇をあぶりだした本作は、死刑制度が存在するここ日本でも観客の胸に深く突き刺さる。

監督:ベタシュ・サナイハ、マリヤム・モガッダム
出演:マリヤム・モガッダム、アリレザ・サニファル、プーリア・ラヒミサム
2020年/イラン・フランス/105分

【上映】7/1(金)〜7/14(木)

【料金】通常料金

7月1日[金]公開 沖縄本土復帰50周年映画特集『ばちらぬん』『ヨナグニ 〜旅立ちの島〜』

沖縄復帰50周年映画特集〜国境の島にいきる〜

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かつて「与那国島」はアジアの交易の中継地として栄えてきた。その交流から生まれた文化と、日本や沖縄本島とも異なる独自の言語は島の誇りであった。2021年、世界がコロナ禍に見舞われる中、与那国島は二つの映画を生み出した。島に生まれ育った若き才能が描く望郷の島 『ばちらぬん』。欧州からやって来た気鋭の視点で描かれる日常の島『ヨナグニ 〜旅立ちの島〜』。与那国島を新たな角度から描いたこの作品を通して、国境の島そして復帰50周年の意味を問い直す。

【前売券】全国共通回数券(2回券):2400円

 

『ばちらぬん』ばちらぬん

監督の故郷である与那国島の日常や祭事を取材したドキュメンタリーと花、果実、骨、儀式などをモチーフに幻想的に描かれる世界が交差しながら物語は進む。現実とフィクションはやがて溶け合い、ジャンルの枠を超えた映像によって島に紡がれてきた歴史、文化、人々の記憶がスクリーンに映し出される。日本の最西端、沖縄県与那国島の言葉で「ばちらぬん」は「忘れない」という意味をもつ。

監督・脚本・撮影・編集:東盛あいか
出演:東盛あいか、石田健太、笹木奈美、三井康大、山本桜
2021年/日本/61分

【同時上映】特別対談映像(15分)
『ばちらぬん』の東盛あいか監督と『ヨナグニ 〜旅立ちの島〜』のヴィットーリオ・モルタロッティ&アヌシュ・ハムゼヒアン監督の対談インタビューが実現!お互いの作品と与那国島への想いを熱く語る。『ばちらぬん』本編上映後に合わせて上映。※7/2の舞台挨拶付き上映回では、特別対談映像を省かせていただきます。予めご了承下さい。

【上映】7/1(金)〜7/14(木)

【料金】一般1800円、その他通常料金

【イベント】舞台挨拶開催

『ばちらぬん』舞台挨拶

■日時
 7月2日(土)13:10の回 上映後、舞台挨拶

 ※イベント上映回は招待券不可。

■ゲスト

東盛あいか監督

京都芸術大学映画学科・俳優コース在籍中に、学生映画に多数出演しながら映画について多方面から学ぶ。卒業制作として初監督した『ばちらぬん』が、ぴあフィルムフェスティバル2021のグランプリを獲得。本作では主演や編集、美術なども兼任している。与那国語を勉強しながら発信しており、沖縄タイムス等でコラムも連載。俳優としても活動中。

■注意事項
 ・新型コロナウィルス感染予防対策を行います。
 ・ご来館前の検温、ご自身の体調を確認のうえ、発熱や咳などの症状がある場合はご来館をお控えください。
 ・ご来場のお客様はマスクの着用をお願いします。
 ・新型コロナの状況により、急遽内容を変更する場合があります。

■予約受付あり
 イベント参加のご予約できます。
 ・劇場窓口 または お電話 からご予約下さい。
 ・ご予約の際は、お名前とご連絡先をお伝え下さい。

 長野相生座・ロキシー[TEL 026-232-3016]

 

 

『ヨナグニ 〜旅立ちの島〜』

ヨナグニ 旅立ちの島

沖縄県与那国町、この島には高校がない。若者たちは中学卒業とともに一度は島を離れることになる。別れと再会を予感しながら、学校生活や豊かな自然で戯れる放課後、思春期の本音が漏れる会話を通して多感な十代の日々が映し出される。そして、失われつつある島の言葉「どぅなん」や伝統文化がゆっくりと若い世代へと受け継がれる様子が描かれる。緩やかで郷愁溢れる国境の島の記録。

イタリア出身の映像作家アヌシュ・ハムゼヒアンと写真家ヴィットーリオ・モルタロッティのコンビが与那国島に初めて訪れたのは2018年。映像や写真、インスタレーションなど特定の媒体にとらわれない形で作品を制作してきた二人は、与那国の言葉"どぅなん語"が日本で最も消滅の危機に瀕している言語の一つであること知る。初めて島を訪れた際、二人は“少数言語の消滅”という言葉の裏には、一つの世界が消失することに二人は気付く。その言語を話す人が少なくなり、その言語で表されていたはずの風景、文化、関係性も消えかけ、変化せざるを得ない局面だった。二人は消失の危機にあるコミュニティの痕跡をたどり未来に託すべく3年間に渡る記録が始まった。その中で映画のカメラを向けられたのは、“日本語”を話す14歳の少年少女たちだった。

監督:ヴィットーリオ・モルタロッティ、アヌシュ・ハムゼヒアン
2021年/フランス/74分/ドキュメンタリー

【上映】7/1(金)〜7/14(木)

【料金】一般1800円、その他通常料金

7月1日[金]公開 『スズさん〜昭和の家事と家族の物語〜』

スズさん〜昭和の家事と家族の物語〜

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東京郊外にある小さな家。昭和26年(1951年)に建てられた木造2階建の住宅は、いま「昭和のくらし博物館」となり、当時の人々の暮らしを伝えています。館長の小泉和子さんの実家であるこの博物館には、母・スズさん(1910〜2001年)の思い出がたくさんつまっています。娘によって語られる、母の人生。そこには生活の細部に工夫を凝らし、知恵を絞り、家族のために懸命に手を動かしながら生きてきた一人の女性の姿がありました。当時、当たり前に継承されていた経験や生活の知恵は、時代の変化とともに失われつつあります。母から娘へ、娘から今を生きる私たちへ。スズさんが遺してくれた3章からなる物語です。

第1章 「生い立ちと横浜大空襲」
明治43年、横浜の農家の長女として生まれた、小泉スズさん。関東大震災で母を亡くし、18歳で女中奉公に出て、22歳でお見合い結婚をします。戦争が人々の暮らしに影を落とす中、子どもを産み、必死に育ててきました。スズさんが経験した戦時下の暮らし、学童疎開や建物疎開、防空防災訓練に横浜大空襲、そして戦後の復興期を当時の資料映像を交えながら丹念に描き出します。

第2章 「ちいさなおうち」
スズさんの夫が自ら設計を手掛けた18坪の住宅には家族6人と下宿人2人の計8人が暮らしていました。狭くとも快適に暮らせるよう、家の中には様々な工夫が凝らされています。この家で専業主婦として炊事、洗濯、掃除、裁縫と家族のために働いたスズさんの記憶とともに、平穏を取り戻した市井の人々の暮らしを見つめます。

第3章 「昭和の家事の記録」
私たちの日々の暮らしを支える家事。家電の発展とともに、その姿は大きく変わりました。昭和の生活を知る貴重な資料として、スズさんに当時の家事を再現してもらった記録フィルムが残っています。着物をほどき、浴衣を縫い、おせちやおはぎを作り、お盆を迎える…。80歳を越えたスズさんによる、息をのむほど鮮やかで、細やかな気配りに満ちた手仕事の記録が4Kデジタルで蘇ります。

監督・撮影・編集:大墻敦
語り:小林聡美
出演:小泉和子
2021年/日本/86分/ドキュメンタリー

【上映】7/1(金)〜7/14(木)

【料金】通常料金

7月8日[金]公開 『光復』

光復

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★7/8〜7/14連日舞台挨拶開催

長野先行上映!深川栄洋が自主映画でしか描けなかった闇がここにある

主人公の大島圭子(42)は両親の介護の為、15年前に東京から実家の長野に移り住んだ。生活保護を受けながら父を看取り、アルツハイマーに冒されて意思の疎通が取れない母の介護をしながら慎ましく暮らしている。ある日、高校の同級生だった横山賢治(42)と再会し、賢治の手を借りながら母の介護をすることになる。先の見えなかった圭子の生活は、重苦しい雲が過ぎゆき、ほんの少しだけ雲間から光が差し込むようになった。色の無い圭子の表情にも、明るさが出てくるようになっていく。しかし、そんな時、圭子の母、安江が急死する。警察の検視の結果、安江の死は病死ではなくインシュリンの過剰投与による殺人事件として扱われる。警察の取り調べが始まると同時に、真っ逆さまに転がり落ちていく圭子の人生が始まった。

監督・脚本は深川栄洋。専門学校を卒業後に制作した自主映画「ジャイアントナキムシ」「自転車とハイヒール」が2年連続で『ぴあフィルムフェスティバル』に入選し注目を集める。2005年、「狼少女」で長編映画監督デビューを果たし、以降コンスタントに話題作を発表し続けている。「60歳のラブレター」(2009)「白夜行」(2011)「神様のカルテ」(2011,2014 )「破獄」(2017)「赤ひげ」(2017)「そらのレストラン」(2019)「にじいろカルテ」(2021)「桜のような僕の恋人」(2022)など、映画やドラマ作品が多数ある。 主演は映画「櫻の園」(1990・監督中原俊)でデビューした長野市出身の女優、宮澤美保。本作の監督である深川栄洋は夫で「神様のカルテ2」(2014)や「ドクター・デスの遺産 -BLACK FILE-」(2020)などでも共に作品に携わっている。その他、主演作には「苺の破片」(2005)「お元気ですか?」(2016)がある。

自主映画からキャリアをスタートさせた深川栄洋が原点回帰、新しい自主映画の取り組みを始めた。記念すべきその第一作目!

スタッフはたったの5人……。知らない土地で知らない俳優たちと取り組む映画作りは映画制作を始めた20代の頃の自分を思い出すと共に、これまでの経験や心の葛藤を吐き出すものとなった。若いころから自殺願望があったと語る深川は、映画の世界にその救いを求め、実際に『映画館で映画を観ると不安定な気持ちが落ち着く』ことがよくあったという。そんな自身の経験から、久しぶりに作る自主映画は「心の乱れが整う」ような作品に挑戦しようと意識したそうだ。しかしそれが、今までの深川作品のハートフルなイメージを覆す、ダークで癒しとは真逆ともとれるような作品に仕上がっていることが、じつに興味深いところである。

宮澤を含む出演者の約8割は長野県出身または在住者。

2019年に長野で行われた出演者オーディションに集まった、個性のある俳優たち。地元で演劇や芸術活動を続けるメンバーもいるが、演技そのものが 初めての人も多く、職業は会社員・翻訳者・介護職・学生・経営者・団体職員・定年退職者・NGOボランティアなど、さまざまな人生を持ち寄ってこの映画を盛り立てている。他の映画では出会えない、2度と見られないかもしれない俳優たちである。

監督・脚本:深川栄洋
出演:宮澤美保、永栄正顕、クランシー京子、関初次郎、池田シン、伊東孝、野崎数馬、片倉裕介、田村真央、橋爪渓、大場泰正、崔哲浩、梅里アーツ、清滝美保、佐藤優
2021年/日本/129分/R18+

【上映】7/8(金)〜

【料金】通常料金

【前売券】全国共通特別前売券:1500円

 

【お知らせ】『光復』公開記念!
主演・宮澤美保さん&深川栄洋監督の過去作を特集上映!

 

【イベント】舞台挨拶・トークイベント

深川栄洋監督、主演の宮澤美保さん、その他出演者によるトークイベントを連日開催!!尚、7月9日(土)はゲスト多数による大々的な舞台挨拶を開催!!

■日時
 7月8日(金)19:00の回 (上映後開催)
 7月9日(土)15:10の回 (上映後開催)
 7月10日(日)11:40の回 (上映後開催)
 7月11日(月)19:00の回 (上映後開催)
 7月12日(火)19:00の回 (上映後開催)
 7月13日(水)19:00の回 (上映後開催)
 7月14日(木)19:00の回 (上映後開催)

 ※イベント上映回は招待券不可。

■ゲスト
 ・深川栄洋監督
 ・宮澤美保さん
 ・その他出演者

 

■注意事項
 ・新型コロナウィルス感染予防対策を行います。
 ・ご来館前の検温、ご自身の体調を確認のうえ、発熱や咳などの症状がある場合はご来館をお控えください。
 ・ご来場のお客様はマスクの着用をお願いします。
 ・新型コロナの状況により、急遽内容を変更する場合があります。

 

■予約受付あり
 イベント参加のご予約できます。
 ・劇場窓口 または お電話 からご予約下さい。
 ・ご予約の際は、お名前とご連絡先をお伝え下さい。

 長野相生座・ロキシー[TEL 026-232-3016]

7月8日[金]公開 『光復』公開記念 【宮澤美保&深川栄洋 特集上映】

『光復』公開記念 宮澤美保&深川栄洋 特集上映

 

長野ロケ作品『光復』の公開を記念して、主演の宮澤美保さん&深川栄洋監督の過去作品を大特集! 上映作品は、宮澤さんのデビュー作と主演2作品。(主演作『苺の破片』は貴重な35mmフィルム上映!) そして、深川監督過去作は監督の原点に迫る作品をセレクト。監督が「恥ずかしい」と言いつつ提供してくれたデビュー前の自主映画作品も上映。二人の新作『光復』と併せてお楽しみください。

 

【上映スケジュール】
  7/8(金)15:10『白夜行』
  7/9(土)19:00『お元気ですか?』
7/10(日)15:10『真木栗ノ穴』
7/11(月)15:10『櫻の園』
7/12(火)15:10『ジャイアントナキムシ』『自転車とハイヒール』(自主映画2本立て)
7/13(水)15:10『苺の破片』
7/14(木)15:10『真木栗ノ穴』
7/15(金)[時間未定]『お元気ですか?』
7/16(土)[時間未定]『白夜行』
7/17(日)[時間未定]『櫻の園』 ※トークイベント予定
7/18(月)[時間未定]『苺の破片』 ※トークイベント予定
7/19(火)[時間未定]『真木栗ノ穴』
7/20(水)[時間未定]『白夜行』
7/21(木)[時間未定]『苺の破片』


【料金】
一般:1500円/シニア:1200円/大学生以下・小人:1000円
*前売券:1作品1200円/回数券(3回券)3000円

 

300_『光復』公開記念 宮澤美保&深川栄洋 特集上映ウラ*クリック拡大表示*

 

【上映作品】

 
宮澤美保 主演・出演作品

 
◆『櫻の園』 *デビュー作
吉田秋生原作の同名漫画を映画化。毎年創立記念日にチェーホフの「櫻の園」を上演する女子高演劇部を舞台に、それに携わる少女たちの開演までの2時間の出来事を描く。
監督:中原俊
脚本:じんのひろあき
出演:中島ひろ子、つみきみほ、白島晴代、宮澤美保、梶原阿貴
1990年/日本/96分

 

◆『苺の破片(いちごのかけら)』 *主演作

『櫻の園』の宮澤美保と梶原阿貴の2人が書いていた脚本に「スカイハイ」の漫画家・高橋ツトムが共鳴し、中原俊との共同監督で実現した人間ドラマ。
監督:中原俊、高橋ツトム
出演:宮澤美保、梶原阿貴、余貴美子、カルーセル麻紀、押尾学、木村佳乃
2005年/日本/91分 ※35mmフィルム上映

 

◆『お元気ですか?』 *主演作
旅先から知り合いに電話を掛け続ける主人公・冴子。彼女が取り続ける不可思議な行動は、やがて哀しみの涙によって浄化され、見る者に感動をもたらしていく、10人との電話でつづる命の物語。『櫻の園』で快活な演劇部員を好演した宮澤美保が、さわやかさはそのままに、一見穏やかな佇まいの中に大人の女性としての繊細な心情を切々と、そして美しく体現していく。
監督・脚本:室賀厚
出演:宮澤美保、丸山隼人、加藤藍子、田中俊、菅田俊、長谷直美
2016年/日本/87分

 

深川栄洋 監督作品

 
◆『ジャイアントナキムシ』
童貞の谷口は、友人・青田の同棲相手・伸子に一目惚れしてしまう。伸子は重症のインポで仕事をしない青田を養っていたが、実は売春をしてお金を稼いでいた・・・。性的なコンプレックスを持つ男女3人の、セックスのない浮遊する三角関係とその顛末を描いた作品。PFFアワード2000入選。
監督・脚本・編集:深川栄洋
出演:渡辺竜太、大坪裕美、深川栄洋、村上寿
1999年/日本/55分

 

◆『自転車とハイヒール』
小学生の典彦はウソを隠すために、またウソをつく。自転車を持っていないことが友達にばれないように・・・。大人になった典彦は偶然に小学生時代の友人の博之に出会い、彼のアパートに行く羽目に。そこには同棲相手のしのぶがいた・・・。ねじれを残したまま大人になった彼らを、ユーモアあふれる会話とともに、時にシュールに時に温かく描かれた深川監督の初劇場公開作品。PFFアワード2001入選。第2回TAMA NEW WAVEコンペティション・フィルム部門グランプリ。
監督・脚本:深川栄洋
出演:吉井信興、八木正純、磯部美香、宮本和也、山崎峻
2000年/日本/60分

 

◆『真木栗ノ穴』
女流作家・山本亜紀子による異色の小説「穴」を原作に、西島秀俊主演で映画化。独特な小説世界に、鮮烈さとユーモア、匂い立つエロティシズムを加え、江戸川乱歩や夢野久作、京極夏彦を彷彿とさせる「昭和モダン」の薫りがたちこめる、摩訶不思議な魅惑の物語。
監督:深川栄洋
脚本:深川栄洋、小沼雄一
出演:西島秀俊、粟田麗、木下あゆ美、キムラ緑子、北村有起哉、田中哲司、利重剛
2008年/日本/110分/PG12

 

◆『白夜行』
東野圭吾のミステリー小説を主演に堀北真希を迎え映画化。密室の廃墟で、質屋の店主が殺された。決定的な証拠がないまま、事件は容疑者の死亡によって一応解決を見る。しかし、担当刑事の笹垣(船越英一郎)だけは腑に落ちない。加害者の娘で、子供とは思えない美しさを放つ少女・雪穂(堀北真希)と、被害者の息子で、どこか暗い目をした物静かな少年・亮司(高良健吾)の姿がいつまでも目蓋の裏を去らないのだ。やがて、成長した二人の周辺で不可解な事件が立て続けに起こり、意外な関係が姿を現し始める・・・。
監督:深川栄洋
脚本:深川栄洋、入江信吾、山本あかり
出演:堀北真希、高良健吾、船越英一郎
2011年/日本/149分

7月8日[金]公開 『ベルイマン島にて』

ベルイマン島にて

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“20世紀最大の巨匠”イングマール・ベルイマンが暮らし、傑作を生んだ島を舞台に紡ぐ、創作活動も夫婦関係も停滞中の映画監督カップルの物語。

スティーヴン・スピルバーグやマーティン・スコセッシなど、今日の巨匠と呼ばれる映画監督たちに、多大な影響を与えたイングマール・ベルイマン。彼の熱狂的な支持者である、『未来よ こんにちは』でベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いたミア・ハンセン=ラブ監督が、ベルイマンの原風景と言われるスウェーデンのフォーレ島を舞台に最新作を撮影。奇岩が屹立した神秘的な自然や郷愁を誘う風車、ベルイマンが公私共に時を過ごした家屋や縁の品々を、存分に映像に収めた作品を完成させた。時は現代、主人公は映画監督カップル。クリスは認められてまだ日が浅く、パートナーのトニーは既に名を成しいてる。ミア・ハンセン=ラブ自身と彼女の元パートナーの実体験を彷彿させる二人だ。演じるのは、『ファントム・スレッド』のヴィッキー・クリープスと、『海の上のピアニスト』のティム・ロス。さらに、クリスの次回作の主人公に、『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカが扮する。

映画監督カップルのクリスとトニーは、アメリカからスウェーデンのフォーレ島へとやって来た。創作活動にも互いの関係にも停滞感を抱いていた二人は、敬愛するベルイマンが数々の傑作を撮ったこの島でひと夏暮らし、インスピレーションを得ようと考えたのだ。やがて島の魔力がクリスに作用し、彼女は自身の“1度目の出会いは早すぎて2度目は遅すぎた”ために実らなかった初恋を投影した脚本を書き始めるのだが──。

監督・脚本:ミア・ハンセン=ラブ
出演:ヴィッキー・クリープス、ティム・ロス、ミア・ワシコウスカ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー
2021年/フランス・ベルギー・ドイツ・スウェーデン/113分

【上映】7/8(金)〜7/21(木)

【料金】通常料金

7月8日[金]公開 『エリザベス 女王陛下の微笑み』

エリザベス 女王陛下の微笑み

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世界でもっとも有名な女性である英国君主エリザベス2世。在位70周年となる祝福の年に、初の長編ドキュメンタリー映画が公開。最高にチャーミングでユーモアたっぷりの女王の姿をご覧あれ!

本作はまるでタイムマシーンのように、1930年代から2020年代までのアーカイブ映像によって、何十年もの歩みを行き来する。レコードに針を落とすようにして音楽は語り、私たちはエリザベスという女性の肖像、その人物が見せるあらゆる表情、そして象徴としての姿を目撃する。たった一度の人生で一人の女性がここまで濃密な経験をしてきたとは、なんてすごい社会史だろう。女王陛下が子供時代から大人になるまでの軌跡、何百にもおよぶ花束を受け取る姿、何千もの人々と握手する姿…。1952年、25歳の若さでエリザベス2世として即位したその類まれなる人生と旅路を、女王への深い愛と畏敬の念をもって、詩的に時にポップに描いた、最高にオシャレな映画がここに誕生した。

監督:ロジャー・ミッシェル
出演:エリザベス2世、フィリップ王配、チャールズ皇太子、ウィリアム王子、ヘンリー王子、キャサリン妃、ジョージ王子、メ―ガン妃、ダイアナ元妃、ザ・ビートルズ、エルトン・ジョン、ダニエル・クレイグ、マリリン・モンロー、ウィンストン・チャーチル、ほか
2021年/イギリス/90分/ドキュメンタリー

【上映】7/8(金)〜7/21(木)

【料金】通常料金

7月8日[金]公開 『FLEE フリー』

FLEE フリー

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本年度アカデミー賞にて、史上初となる国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞の3部門同時ノミネートの快挙を成し遂げた、デンマークほか合作によるドキュメンタリー映画『FLEEフリー』。主人公のアミンをはじめ周辺の人々の安全を守るためにアニメーションで制作され、いまや世界中で大きなニュースになっているタリバンとアフガニスタンの恐ろしい現実や、祖国から逃れて生き延びるために奮闘する人々の過酷な日々、そして、ゲイであるのひとりの青年が、自分の未来を救うために過去のトラウマと向き合う物語を描く。本作が伝えるアミンの物語は非常に個人的なものでありながらも、紛争、難民、人種差別、LGBTQ+など現代社会を覆う数々のテーマが内包されており、彼の声は、今を生きる我々の心に深く語り掛けてくる。そんな本作は多くの観客に深い感動と衝撃を与え、昨年のサンダンス映画祭でワールド・シネマ・ドキュメンタリー部門の最高賞であるグランプリを獲得。またアヌシー国際アニメーション映画祭でも最高賞となるクリスタル賞ほか3部門を受賞。ドキュメンタリー、アニメーションという表現の垣根を越えてジャンル横断的に高い評価を受け、4月12日現在、各国の映画祭で82受賞136部門ノミネートという圧倒的な評価を獲得している。

アフガニスタンで生まれ育ったアミンは、幼い頃、父が当局に連行されたまま戻らず、残った家族とともに命がけで祖国を脱出した。やがて家族とも離れ離れになり、数年後たった一人でデンマークへと亡命した彼は、30代半ばとなり研究者として成功を収め、恋人の男性と結婚を果たそうとしていた。だが、彼には恋人にも話していない、20年以上も抱え続けていた秘密があった。あまりに壮絶で心を揺さぶられずにはいられない過酷な半生を、親友である映画監督の前で、彼は静かに語り始める…。

監督:ヨナス・ポヘール・ラスムセン
2021年/デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・フランス合作/89分

【上映】7/8(金)〜7/21(木)

【料金】通常料金

7月15日[金]公開 『リコリス・ピザ』

リコリス・ピザ

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第94回アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞ノミネート。ポール・トーマス・アンダーソン監督最新作!

『マグノリア』でベルリン国際映画祭金熊賞、『パンチドランク・ラブ』でカンヌ、『ザ・マスター』でヴェネチア、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』でベルリンと世界三大映画祭すべてで監督賞受賞の伝説を作り、常に世界中の映画ファンが新作を心待ちにしている天才監督ポール・トーマス・アンダーソン。最新作『リコリス・ピザ』はオリジナル脚本の完成度の高さ、細かな脇役に至るまで行き届いた演出が高く評価され、本年度アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされたほか、世界中の映画賞を席巻している。

舞台は1970年代のハリウッド近郊、サンフェルナンド・バレー。カメラマンアシスタントのアラナと高校生ゲイリーが偶然に出会い、すれ違い、歩み寄っていく恋模様を描き出す。

主演は三姉妹バンド、ハイムの三女であるアラナ・ハイムとポール・トーマス・アンダーソン監督の盟友フィリップ・シーモア・ホフマンの息子であるクーパー・ホフマン。ともに本作で鮮烈な映画デビューを飾り、主演女優賞やブレイクスルー賞を総なめに!脇を固める俳優も曲者揃いだ。ショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディとレジェンドが集結し、実在の人物をモデルにしたアクの強い登場人物を生き生きと演じている。主人公ふたりの感情に寄り添う音楽を手掛けたのはレディオヘッドのジョニー・グリーンウッド。ポール・トーマス・アンダーソン監督とは本作で5作目のタッグとなる。劇伴のほか、数々の楽曲が全編を彩り、こだわり抜いた、セット、小道具、ファッション、ヘアスタイルが70年代を完璧に再現する。散りばめられた当時の音楽やファッション、そして恋の痛みと嬉しさに溢れる主人公たちの姿に、誰もが“あの頃の気持ち”と“映画の楽しさ”を思い出さずにいられない!

監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:アラナ・ハイム、クーパー・ホフマン、。ショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディ
2021年/アメリカ/134分/PG12

【上映】7/15(金)〜

【料金】通常料金

【前売券】ムビチケカード:1500円

7月15日[金]公開 『オフィサー・アンド・スパイ』

オフィサー・アンド・スパイ

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世界が震撼した[衝撃の実話]世紀の国家スキャンダル〈ドレフュス事件〉映画化。巨大権力と闘った男の命がけの逆転劇。

『戦場のピアニスト』ロマン・ポランスキー監督の最新作は、歴史的冤罪事件“ドレフュス事件”の映画化。巨大権力と闘った男の不屈の信念と壮絶な逆転劇を描きベネチア国際映画祭では銀獅子賞を受賞。本国フランスでは、第45回セザール賞で3部門を受賞しNo.1大ヒットを記録した。当時のフランスに、国家の土台を揺るがす深刻な分断をもたらしたこの事件。監督は、いわれなき罪を着せられたドレフュスと、彼を救い世に真実を知らしめようとする主人公ピカールの壮絶な運命を描出。その圧倒的なまでにサスペンスフルで、心揺さぶるストーリー展開は、衣装や美術などのあらゆる細部を突きつめた重厚なビジュアルと相まってひとときも目が離せない。現代に通底する事件を通し、今の時代に警鐘を打ち鳴らす傑作歴史サスペンス上陸!

1894年、フランス。ユダヤ人の陸軍大尉ドレフュスが、ドイツに軍事機密を流したスパイ容疑で終身刑を宣告される。ところが対敵情報活動を率いるピカール中佐は、ドレフュスの無実を示す衝撃的な証拠を発見。彼の無実を晴らすため、スキャンダルを恐れ、証拠の捏造や、文書の改竄などあらゆる手で隠蔽をもくろむ国家権力に抗いながら、真実と正義を追い求める姿を描く。

監督:ロマン・ポランスキー
出演:ジャン・デュジャルダン、ルイ・ガレル、エマニュエル・セニエ、グレゴリー・ガドゥボワ、メルヴィル・プポー、マチュー・アマルリック、ほか
2019年/フランス・イタリア/131分

【上映】7/15(金)〜7/28(木)

【料金】通常料金

7月15日[金]公開 『ドンバス』

ドンバス

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第71回カンヌ国際映画祭《ある視点》部門 監督賞受賞

ロシアとウクライナの戦争を理解するための“ドンバス13のレッスン”
ドンバスで起きた実話を元に構成されたエピソード

2014年に一方的にウクライナからの独立を宣言し、親ロシア派勢力「分離派」によって実効支配されているウクライナ東部ドンバス地方。ウクライナ軍との武力衝突が日常的に起きているこの地域にはロシア系住民が多く住み、「分離派」の政治工作によってウクライナ系住民との分断が深まり内戦となっている。フェイクニュースやプロパガンダを巧みに駆使する近代的な情報戦と、前時代的で野蛮なテロ行為が横行するドンバスのハイブリッド戦争を、ウクライナ出身の異才セルゲイ・ロズニツァ監督がダークユーモアを込めながら描く—— 今日の戦争でロシア軍の所業を知った今、もはやまったく笑えない映画に変貌を遂げた。2018年カンヌ国際映画祭《ある視点》部門監督賞受賞作品。

クライシスアクターと呼ばれる俳優たちを起用して作るフェイクニュースから始まり、支援物資を横領する医師と怪しげな仕掛人、湿気の充満した地下シェルターでフェイクニュースを見る人々、新政府への協力という口実で民間人から資産を巻き上げる警察組織、そして国境での砲撃の応酬……。無法地帯“ノヴォロシア”の日常を描く13のエピソードは、ロシアとウクライナの戦争をすでに予見していた。ここでは一体何が起きているのだ。

監督:セルゲイ・ロズニツァ
2018年/ドイツ・ウクライナ・フランス・オランダ・ルーマニア/121分

【上映】7/15(金)〜7/28(木)

【料金】通常料金

7月15日[金]公開 『冬薔薇(ふゆそうび)』

冬薔薇(ふゆそうび)

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家族、友人、そして自分自身とも向き合えずにいた。心の欠損を抱えた「寄る辺なき者たち」が織り成す人間ドラマ。

ある港町。専門学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみ、友人や女から金をせびってはダラダラと生きる渡口淳。“ロクデナシ”という言葉がよく似合う中途半端な男だ。両親の義一と道子は埋立て用の土砂をガット船と呼ばれる船で運ぶ海運業を営むが、時代とともに仕事も減り、後継者不足に頭を悩ましながらもなんとか日々をやり過ごしていた。淳はそんな両親の仕事に興味も示さず、親子の会話もほとんどない。そんな折、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。そこに浮かび上がった犯人像は思いも寄らぬ人物のものだった……。

名実ともに日本映画界を牽引する映画監督・阪本順治。“アグレッシブな円熟期”を迎えたこの鬼才が、40歳も年下の若手俳優・伊藤健太郎のために書き下ろしたオリジナル新作。伊藤健太郎からじっくりと話を聞き、作り上げた主人公のキャラクターには、このとき監督が感じた匂いや気配、独特の佇まいなどが色濃く反映されている。俳優としてゼロに戻り、内面をさらけ出した伊藤健太郎の演技、その周りを固めたのは、日本映画界きっての実力派たちだ。淳の父親で、ガット船「渡口丸」の船長を演じたのは名優・小林薫。淳の母親で会社の事務を取り仕切る妻役には余貴美子。さらに眞木蔵人、笠松伴助、伊武雅刀、そして石橋蓮司らベテランから、永山絢斗、毎熊克哉、坂東龍汰、河合優実、佐久本宝、和田光沙など若手注目株が集結し、絶妙のアンサンブルで魅せる。

脚本・監督:阪本順治
出演:伊藤健太郎、小林薫、余貴美子、眞木蔵人、永山絢斗、毎熊克哉、坂東龍汰、河合優実、佐久本宝、和田光沙、笠松伴助、伊武雅刀、石橋蓮司
2022年/日本/109分/PG12

【上映】7/15(金)〜7/28(木)

【料金】通常料金

7月22日[金]公開 『この日々が凪いだら』

この日々が凪いだら

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変わりゆくものと、変わらないもの ――大きな時代のうねりのなかで、日々、翻弄される私たち。そんな私たちの不透明な日常に、そっと光を当てる一つの映画が誕生。

“映画×音楽”の祭典「MOOSIC LAB 2019」にて好評を得た『ゆうなぎ』が、海外セールス会社Asian Shadowsとの契約を経て一新し、『この日々が凪いだら』と名を変え、満を持して単独劇場公開。短編映画である『なみぎわ』や『Female』が各映画祭で好評を博してきた常間地裕監督の初長編作となった本作は、さまざまな〈変化〉に向き合う若者たちによる群像劇を繊細な筆致で描き出したものだ。サトウヒロキ、瀬戸かほ、山田将ら期待の俳優たちが主演として物語の中心に据えられ、まるで鏡越しに見るような私たちの日常を体現。さらに、藤原季節、山之内すず、川瀬陽太といったプレイヤーが作品に強度を与えている。また、本作に欠かせないのが、オルタナティブロックバンド・羊文学による主題歌『夕凪』と、挿入歌『サイレン』。作詞・作曲を手がけた塩塚モエカは劇中音楽も担当しており、若者たちの日々に寄り添いながら、物語を叙情的なものにしている。本作は“いま”を生き、〈変化〉を余儀なくされる私たちへと向けられた贈り物のような映画である。

故郷を捨てるように上京してきた宮嶋大翔。建設現場で働く彼は、花屋で働く望月双葉と出会い、いつしか恋人同士の関係に。時代は平成から令和へと変化するも、二人の日々は穏やかに流れ、このまま何も変わらないかに思えた。しかし、住居の取り壊しや身近な人の死によって、彼らは変化を余儀なくされる――。

監督・脚本・編集:常間地裕
出演:サトウヒロキ、瀬戸かほ、山田将、小田篤、五頭岳夫、山之内すず、藤原季節、川瀬陽太
2021年/日本/84分

【上映】7/22(金)〜7/28(木)

【料金】通常料金

7月22日[金]公開 『スープとイデオロギー』

スープとイデオロギー

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『ディア・ピョンヤン』『かぞくのくに』ヤン ヨンヒ 待望の最新作

ついに母が教えてくれたおいしいスープのレシピと「済州4・3事件」の実体験。ひとりの女性の生き様をとおして国家の残酷さと運命に抗う愛の力を唯一無二の筆致で描き出す。

年老いた母が、娘のヨンヒにはじめて打ち明けた壮絶な体験―― 1948年、当時18歳の母は韓国現代史最大のタブーといわれる「済州4・3事件」の渦中にいた。朝鮮総連の熱心な活動家だった両親は、「帰国事業」で3人の兄たちを北朝鮮へ送った。父が他界したあとも、“地上の楽園”にいるはずの息子たちに借金をしてまで仕送りを続ける母を、ヨンヒは心の中で責めてきた。心の奥底にしまっていた記憶を語った母は、アルツハイマー病を患う。消えゆく記憶を掬いとろうと、ヨンヒは母を済州島に連れていくことを決意する。それは、本当の母を知る旅のはじまりだった。

監督は『ディア・ピョンヤン』『かぞくのくに』など、朝鮮半島と日本の悲劇的な歴史のうねりを生きる在日コリアン家族の肖像を親密なタッチで写し続けてきたヤン ヨンヒ。本作ではクレイ人形やアニメーションを駆使して母が語ってこなかった記憶を鮮やかにスクリーンに照らし出す。音楽監督を務めたのは『お嬢さん』『タクシー運転手 約束は海を越えて』など、名だたるヒット作を生み出してきたチョ・ヨンウク。なぜ父と母は、頑なに“北”を信じ続けてきたのか? ついに明かされる母の秘密。あたらしい家族の存在…。これまで多くの映画ファンを魅了してきた、あの〈家族の物語〉が、まったくあらたな様相をおびて浮かび上がる。

監督・脚本・ナレーション:ヤン ヨンヒ
エグゼクティブ・プロデューサー:荒井カオル
2021年/韓国・日本/118分/ドキュメンタリー

【上映】7/22(金)〜8/4(木)

【料金】通常料金

【前売券】全国共通特別鑑賞券:1300円

【イベント】舞台挨拶開催

『スープとイデオロギー』舞台挨拶

■日時
 7月23日(土)12:40の回 上映後、舞台挨拶
 ※イベント上映回は招待券不可。

■ゲスト

ヤン ヨンヒ 監督
大阪出身のコリアン2世。米国NYニュースクール大学大学院メディア・スタディーズ修士号取得。高校教師、劇団活動、ラジオパーソナリティ等を経て、1995年より国内及びアジア各国を取材し報道番組やTVドキュメンタリーを制作。父親を主人公に自身の家族を描いたドキュメンタリー映画『ディア・ピョンヤン』(05)は、ベルリン国際映画祭・最優秀アジア映画賞(NETPAC賞)、サンダンス映画祭・審査員特別賞ほか、各国の映画祭で多数受賞し、日本と韓国で劇場公開。自身の姪の成長を描いた『愛しきソナ』(09)は、ベルリン国際映画祭、Hot Docs カナディアン国際ドキュメンタリー映画祭ほか多くの招待を受け、日本と韓国で劇場公開。脚本・監督した初の劇映画『かぞくのくに』(2012)はベルリン国際映画祭・国際アートシアター連盟賞(CICAE賞)ほか海外映画祭で多数受賞。さらに、ブルーリボン賞作品賞、キネマ旬報日本映画ベスト・テン1位、読売文学賞戯曲・シナリオ賞等、国内でも多くの賞に輝いた。著書にノンフィクション「兄 かぞくのくに」(12/小学館)、小説「朝鮮大学校物語」(18/KADOKAWA)ほか。

 
荒井カオル エグゼクティブ・プロデューサー
長野県生まれ。日本国籍をもつ日本人男性。出版社勤務を経て、2005年にフリーライターとして独立。映画『スープとイデオロギー』の制作資金調達を務めつつ、被写体の一人として作品に参加する。

 

■注意事項
 ・新型コロナウィルス感染予防対策を行います。
 ・ご来館前の検温、ご自身の体調を確認のうえ、発熱や咳などの症状がある場合はご来館をお控えください。
 ・ご来場のお客様はマスクの着用をお願いします。
 ・新型コロナの状況により、急遽内容を変更する場合があります。

 

■予約受付あり
 イベント参加のご予約できます。
 ・劇場窓口 または お電話 からご予約下さい。
 ・ご予約の際は、お名前とご連絡先をお伝え下さい。

 長野相生座・ロキシー[TEL 026-232-3016]

7月22日[金]公開 パゾリーニ生誕100年『テオレマ4Kスキャン』

テオレマ 4Kスキャン版

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イタリアの異端児パゾリーニが描く“現代の寓話”。ピエル・パオロ・パゾリーニ生誕100年!初公開から50年を経て甦る、真骨頂にして問題作!

1975年11月2日、ローマ郊外で非業の死を遂げて45年以上の時を経た今もなお、世界中のシネフィルに支持される異才ピエル・パオロ・パゾリーニ。生誕100年を迎える2022年3月、日本国内においては1970年の劇場初公開以来、映画祭以外では上映される機会のほとんどなかった代表作『テオレマ』が、2020年米クライテリオン社によってなされた、オリジナルネガからの4Kスキャンによる修復版で、スクリーンに甦ります。

北イタリアの大都市、ミラノ郊外の大邸宅に暮らす裕福な一家の前に、ある日突然見知らぬ美しい青年が現れる。父親のパオロは多くの労働者を抱える大工場の持ち主。その夫に寄りそう美しい妻ルチアと、無邪気な息子ピエトロ、娘オデッタ、そして女中のエミリア。何の前触れもなく同居を始めたその青年は、それぞれを魅了し、関係を持つことで、ブルジョワの穏やかな日々をかき乱していく。青年の性的魅力と、神聖な不可解さに挑発され、狂わされた家族たちは、青年が去ると同時に崩壊の道を辿っていく…。

ヴェネチア国際映画祭で最優秀女優賞(ラウラ・ベッティ)と同時に国際カトリック映画事務局賞を受賞したことで、イタリア・カトリック界で物議を醸し、猥褻罪に問われて裁判に発展。その後パゾリーニは無罪となり、裁判沙汰も手伝って映画は大ヒット。パゾリーニ自身が“天使と悪魔の間にいる、あいまいな人物”と語る《訪問者》の解釈をめぐって大論争となりました。

原案・監督・脚本:ピエル・パオロ・パゾリーニ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:テレンス・スタンプ、シルヴァーナ・マンガーノ、アンヌ・ヴィアゼムスキー
1968年/イタリア/99分/PG12

【上映】7/22(金)〜8/4(木)

【料金】通常料金

【前売券】
パゾリーニ生誕100年「テオレマ4Kスキャン」「王女メディア」
全国共通特別鑑賞券 2回券:2200円

7月22日[金]公開 パゾリーニ生誕100年『王女メディア』

王女メディア

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異彩の映像詩人パゾリーニが描く“女の復讐劇”。ピエル・パオロ・パゾリーニ生誕100年!初公開から50年を経て甦る、奇跡のコラボレーション!

1975年11月2日、ローマ郊外で非業の死を遂げて45年以上の時を経た今もなお、世界中のシネフィルに支持される異才ピエル・パオロ・パゾリーニ。生誕100年を迎える2022年、世紀の歌姫マリア・カラスとの奇跡のコラボレーションによって生まれた復讐劇『王女メディア』が2Kレストアでスクリーンに甦ります。

イオルコス国王の遺児イアソンは、父の王位を奪った叔父ペリアスに王位返還を求める。叔父から未開の国コルキスにある〈金の羊皮〉を手に入れることを条件に出され旅に出たイアソンは、コルキス国王の娘メディアの心を射止めて奪還に成功。しかし祖国に戻ったイアソンは約束を反故にされ、メディアと共に隣国コリントスへ。そこで国王に見込まれたイアソンは、メディアを裏切って国王の娘と婚約してしまう。メディアは復讐を誓い…。

『アポロンの地獄』(67)で初めて古代ギリシャを題材にとったパゾリーニは、エウリピデスのギリシャ悲劇「メディア」を元に、再び神話世界の映像化を構想しました。この企画が本格的に動き出したのは、一切のオファーを断り続けていた歌姫マリア・カラスが、「この映画だけは断れない」とメディア役を承諾したため。当時カラスは、9年にわたり愛し続けた恋人に裏切られた時でした。失意の底で落胆していた彼女でしたが、ひとりの女性としてのメディアを描こうとするパゾリーニに応えるように、愛の苦悩を背負う壮絶なヒロイン像を演じ切りました。

監督・脚本:ピエル・パオロ・パゾリーニ
出演:マリア・カラス、ジュゼッペ・ジェンティーレ、マッシモ・ジロッティ
1969年/イタリア・フランス・西ドイツ/111分

【上映】7/22(金)〜8/4(木)

【料金】通常料金

【前売券】
パゾリーニ生誕100年「テオレマ4Kスキャン」「王女メディア」
全国共通特別鑑賞券 2回券:2200円

7月29日[金]公開 『モガディシュ 脱出までの14日間』

モガディシュ 脱出までの14日間

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2021年度韓国映画No.1大ヒット!ソマリア内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員たちの生死をかけた脱出を描く実話に基づく衝撃の人間ドラマ

1990年、ソウル五輪で大成功を収め勢いづく韓国政府は国連への加盟を目指し、多数の投票権を持つアフリカ諸国へのロビー活動に励んでいた。ソマリアの首都モガディシュで韓国大使を務めるハンは、現地政府の上層部に何とか取り入ろうとしている。一方、韓国より20年も早くアフリカ諸国との外交を始めていた北朝鮮のリム大使も国連加盟のために奔走し、両国間の妨害工作や情報操作はエスカレートしていく。そんな中、ソマリアの現政権に不満を持つ反乱軍による内戦が激化。暴徒に大使館を追われた北朝鮮のリム大使は、絶対に相容れない韓国大使館に助けを求める決意をする。果たして、ハン大使は彼らを受け入れるのか、全員で生きて脱出することができるのか、そしてその方法は──?

ハン大使に大ヒット作にこの人ありと讃えられる『チェイサー』『1987、ある闘いの真実』のキム・ユンソク。カン・テジン参事官には『ザ・キング』のチョ・インソン。北朝鮮のリム大使に『名もなき野良犬の輪舞』のホ・ジュノ。テ・ジュンギ参事官には『新感染半島 ファイナル・ステージ』のク・ギョファン。監督は、ベルリン国際映画祭に正式出品された『生き残るための3つの取引』で世界的にその名を知られ、“韓国のタランティーノ”と称されるリュ・スンワン。衝撃的なスピードとダイナミックなカメラワークで繰り広げられる大迫力のカーアクションに、胸を揺さぶる人間ドラマを融合させたエンターテイメントを作り上げた。

監督:リュ・スンワン
出演:キム・ユンソク、チョ・インソン、ホ・ジュノ、ク・ギョファン
2021年/韓国/121分

【上映】7/29(金)〜8/11(木)

【料金】通常料金

7月29日[金]公開 『ちょっと北朝鮮まで行ってくるけん。』

ちょっと北朝鮮まで行ってくるけん。

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棄民政策によって引き裂かれた姉妹、58年ぶりの再会。世界一取材制限の厳しい国を舞台にした異色のドキュメンタリー!

熊本県で訪問介護の仕事をしている林恵子、67歳。子どもたちはすでに独立。休日は友人らとカラオケや居酒屋に通い、一見平穏な日常を送っている。しかし恵子には、家族や親しい友人にも語ってこなかった、ある秘密があった。それは実の姉が北朝鮮にいるということ。20歳上の姉、愛子は1960年に在日朝鮮人の夫とともに北朝鮮に渡っていった。渡航後、手紙で伝えられる姉の変貌ぶりに、恵子はやがて落胆し、反発。そして絶縁する。その後、日朝関係は悪化し、互いに音信不通の状態に。58年の歳月が流れていった。
そんなある時、姉の消息が知らされる。人生の残り時間が少なくなる中、姉への思いが再び頭をもたげ始めた恵子。「拉致されたらどうするんだ」という子どもたちの反対を押し切り、恵子は訪朝を決意。人生初めての海外旅行が北朝鮮となった。“謎の隣国”で目にする未知の世界。それはその後の恵子の人生をも変えていく…。半世紀以上にわたり、政治や時代に翻弄されてきた家族たちの姿を描く異色のドキュメンタリー作品。

撮影・監督・プロデューサー:島田陽磨
2021年/日本/115分/ドキュメンタリー

【上映】7/29(金)〜8/11(木)

【料金】通常料金

7月29日[金]公開 『戦争と女の顔』

戦争と女の顔

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第72回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 監督賞&国際批評家連盟賞受賞。1945年、戦後のレニングラード。生と死の戦いを続ける元・女性兵士たちの物語。

1945年、終戦直後のレニングラード。第二次世界大戦の独ソ戦により、街は荒廃し、建物は取り壊され、市民は心身ともにボロボロになっていた。史上最悪の包囲戦が終わったものの、残された残骸の中で生と死の戦いは続いていた。多くの傷病軍人が収容された病院で働く看護師のイーヤは、PTSDを抱えながら働き、パーシュカという子供を育てていた。しかし、後遺症の発作のせいでその子供を失ってしまった。そこに子供の本当の母であり、戦友のマーシャが戦地から帰還する。彼女もまた後遺症や戦傷を抱えながらも、二人の若き女性イーヤとマーシャは、廃墟の中で自分たちの生活を再建するための闘いに意味と希望を見いだすが…。

巨匠アレクサンドル・ソクーロフの下に学んだ、30歳を過ぎたばかりの新鋭カンテミール・バラーゴフ監督は、ノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチのデビュー作『戦争は女の顔をしていない』に衝撃を受け、この証言集を原案に、戦後の女性の運命をテーマに本作を完成させた。プロデューサーは、『ラブレス』や『裁かれるは善人のみ』をはじめ、ハリウッドでも実績のあるウクライナ出身のアレクサンドル・ロドニャンスキー。そして、主人公の女性二人は、新人のヴィクトリア・ミロシニチェンコとヴァシリサ・ペレリギナが見事に複雑な心理状態を演じきった。終戦から77年。これは戦争を知らないスタッフ、キャストらが今も起こっている戦争の恐ろしさを伝える作品である。

監督:カンテミール・バラーゴフ
出演:ヴィクトリア・ミロシニチェンコ、ヴァシリサ・ペレリギナ、アンドレイ・ヴァイコフ
2019年/ロシア/137分/PG12

【上映】7/29(金)〜8/11(木)

【料金】通常料金

7月29日[金]公開 『こちらあみ子』

こちらあみ子

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芥川賞受賞作家・今村夏子のデビュー作を映画化。感情と感性を刺激する映像と共に描く、無垢で、時に残酷な少女のまなざし。

主人公は、広島に暮らす小学5年生のあみ子。少し風変わりな彼女のあまりに純粋な行動が、家族や同級生など周囲の人たちを否応なく変えていく過程を鮮やかに描き出す『こちらあみ子』。原作は「むらさきのスカートの女」で第161回芥川賞を受賞した今村夏子が、2010年に発表した処女作「あたらしい娘」(のちに「こちらあみ子」に改題)。本作で太宰治賞、三島由紀夫賞をW受賞して以降、新作を発表するたびに現代文学ファンの間で大きな話題を呼んでいる。主人公のあみ子を演じるのは、応募総数330名のオーディションの中から見いだされた新星・大沢一菜。演技未経験ながら圧倒的な存在感で“あみ子の見ている世界”を体現し、現場の自由な空気の中でキャラクターをつかんでいった。両親役には、日本を代表する俳優である井浦新と尾野真千子。監督は、大森立嗣監督をはじめ、日本映画界を牽引する監督たちの現場で助監督を務めてきた森井勇佑。原作と出会って以来、映画化を熱望してきた監督が、原作にはないオリジナルシーンやポップでグラフィカルな映像描写で新たな風を吹き込み、念願の監督デビューを果たす。

あみ子はちょっと風変わりな女の子。優しいお父さん、いっしょに遊んでくれるお兄ちゃん、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいるお母さん、憧れの同級生のり君、たくさんの人に見守られながら元気いっぱいに過ごしていた。だが、彼女のあまりに純粋無垢な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていくことになる。誕生日にもらった電池切れのトランシーバーに話しかけるあみ子。「応答せよ、応答せよ。こちらあみ子」―――。奇妙で滑稽で、でもどこか愛おしい人間たちのありようが生き生きと描かれていく。

監督・脚本:森井勇佑
出演:大沢一菜、井浦新、尾野真千子
2022年/日本/104分

【上映】7/29(金)〜

【料金】通常料金

《7月の予定作品を見る》

 

↓8月の上映予定作品↓

8月5日[金]公開 『長崎の郵便配達』

長崎の郵便配達

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1冊の本からはじまった父の記憶を巡る旅―。今、娘が受け取る平和へのメッセージ。『ローマの休日』のモチーフになったといわれるタウンゼンド大佐が長崎の少年に出会い、生まれた物語。

はじまりは1冊の本だった。著者はピーター・タウンゼンド氏。戦時中、英空軍のパイロットとして英雄となり、退官後はイギリス王室に仕え、マーガレット王女と恋に落ちるも周囲の猛反対で破局。この世紀の悲恋は世界中で話題となり、映画『ローマの休日』のモチーフになったともいわれる。その後、世界を回り、ジャーナリストとなった彼が、日本の長崎で出会ったのが、16歳で郵便配達の途中に被爆した谷口稜曄(スミテル)さんだった。生涯をかけて核廃絶を世界に訴え続けた谷口さんをタウンゼンド氏は取材し、1984年にノンフィクション小説「THE POSTMAN OF NAGASAKI」を出版する。 映画『長崎の郵便配達』は、タウンゼンド氏の娘であり、女優のイザベル・タウンゼンドさんが、父親の著書を頼りに長崎でその足跡をたどり、父と谷口さんの想いをひもといていくドキュメンタリーだ。

2018年8月、長崎。イザベルさんは本をなぞり、 時に父のボイスメモに耳を傾けながら、スミテル少年が毎日歩いた階段や神社、そして被爆した周辺などを訪ね歩く。また、長崎のお盆の伝統行事、精霊流しでは谷口さん家族と一緒に船を曳いた。旅の終わりに彼女が見る景色とは――。

川瀬監督は、谷口さんより出版についての相談を受け、ニューヨークでの講演を聞いたり、父の意志を受け継ぎたいと願うイザベルさんと出会ったことで、映画の制作を決心した。「核兵器」という言葉がリアルに響く今この時こそ、平和の願いを誰かに“配達”してほしい。父から娘へのメッセージは、今、あなたの元へと届きます。

監督・撮影:川瀬美香
出演:イザベル・タウンゼンド、谷口稜曄、ピーター・タウンゼンド
2021年/日本/97分/ドキュメンタリー

【上映】8/5(金)〜

【料金】通常料金

【前売券】ムビチケカード:1300円

8月5日[金]公開 『教育と愛国』

教育と愛国

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2017年度ギャラクシー賞・大賞を受賞した話題作が、最新取材を加えついに映画化!ひとりの記者が見続けた“教育現場”に迫る危機。教科書で”いま”何が起きているのか?

いま、政治と教育の距離がどんどん近くなっている。軍国主義へと流れた戦前の反省から、戦後の教育は政治と常に一線を画してきたが、昨今この流れは大きく変わりつつある。2006年に第一次安倍政権下で教育基本法が改変され、「愛国心」条項が戦後初めて盛り込まれた。2014年。その基準が見直されて以降、「教育改革」「教育再生」の名の下、目に見えない力を増していく教科書検定制度。政治介入ともいえる状況の中で繰り広げられる出版社と執筆者の攻防はいま現在も続く。

本作は、歴史の記述をきっかけに倒産に追い込まれた大手教科書出版社の元編集者や、保守系の政治家が薦める教科書の執筆者などへのインタビュー、新しく採用が始まった教科書を使う学校や、慰安婦問題など加害の歴史を教える教師・研究する大学教授へのバッシング、さらには日本学術会議任命拒否問題など、阪・毎放送(MBS)で20年以上にわたって教育現場を取材してきた斉加尚代ディレクターが、「教育と政治」の関係を見つめながら最新の教育事情を記録した。2017年にMBSで放送された番組『映像‘17 教育と愛国〜教科書でいま何が起きているのか』は、放送直後から大きな話題を呼び、その年のギャラクシー賞テレビ部門大賞、「地方の時代」映像祭では優秀賞を受賞した。映画化にあたっては、いくつもの壁にぶち当たりながらも追加取材と再構成を敢行し、語りは俳優・井浦新が担当した。いまあらたに誕生した映画版『教育と愛国』がいよいよ劇場公開となる。

監督:斉加尚代
語り:井浦新
2022年/日本/107分/ドキュメンタリー

【上映】8/5(金)〜8/18(木)

【料金】通常料金

【前売券】全国共通特別鑑賞券:1300円

8月5日[金]公開 『マイスモールランド』

マイスモールランド

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埼玉に住む17歳のクルド人サーリャ。すこし前までは同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていた。あるきっかけで在留資格を失い、当たり前の生活が奪われてしまう。彼女が、日本に居たいと望むことは“罪”なのだろうか――?

「国家を持たない世界最大の民族」と呼ばれるクルド人。埼玉県には2000人ほどのコミュニティが 存在するが、クルド人が難民認定された例はこれまでないに等しい。そして、本作の企画が動きだした2017年 当時より、出入国管理及び難民認定法(入管法)を巡る状況は、悪化の一途をたどっている……。

この現状を、17歳の少女の目線を通して描いたのは、是枝裕和監督が率いる映像制作者集団「分福」に在籍する新鋭・川和田恵真監督。イギリス人の父親と日本人の母親を持つ監督が、成長過程で感じたアイデンティティへの想いを元に、理不尽な状況に置かれた主人公が大きな問題に向き合う凛とした姿をスクリーンに焼き付け、本作を企画段階からサポートした是枝監督の『誰も知らない』の系譜に連なる“日本の今”を映し出した。主演は、5カ国のマルチルーツを持ち、ViVi専属モデルとして活躍する嵐莉菜。現役高校生である彼女が、主人公サーリャが抱く複雑な感情を、デビュー作とは思えない堂々とした演技で、みずみずしく体現。そして、サーリャが心を開く少年・聡太役を『MOTHER マザー』で多くの新人俳優賞を受賞した奥平大兼が演じ、次世代を担う感性豊かな俳優たちと、新鋭監督とのフレッシュなタッグが実現した。さらに平泉成、池脇千鶴、藤井隆、韓英恵、サヘル・ローズらが、この新たな才能を支えている。また、主題歌「N e w M o r n i n g」を書き下ろしたのは、注目のアーティストROTH BART BARON。スタッフに『ドライブ・マイ・カー』の撮影・四宮秀俊、美術・徐賢先らが参加。そして、日本初の栄誉となる第72回ベルリン国際映画祭/アムネスティ国際映画賞スペシャル・メンションに輝き、世界からも大きな注目を集めている。

監督・脚本:川和田恵真
出演:嵐莉菜、奥平大兼、アラシ・カーフィザデー、リリ・カーフィザデー、リオン・カーフィザデー、藤井隆、池脇千鶴、平泉成
2022年/日本/114分

【上映】8/5(金)〜8/18(木)

【料金】通常料金

8月5日[金]公開 『君を想い、バスに乗る』

君を想い、バスに乗る

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2021年伊バーリ国際映画祭最優秀主演男優賞受賞。ティモシー・スポール×フィリス・ローガンの英国を代表する実力派俳優が贈る、心温まる人生賛歌!人生は乗合バスのように出会いが過去と未来を紡いでいく。

数々の映画祭での受賞・ノミネート歴を誇る名監督として評価されるギリーズ・マッキノン監督の最新作。最愛の妻を亡くした90歳のトム・ハーパーが50年暮らした家を離れ、壮大な旅に出る物語。脚本を手掛けたジョー・エインズワースが、彼の父と義父の「高齢者向けの無料バス乗車券を使ってどこに旅をするか」という会話から着想を得て、この物語が完成した。2021年夏にイギリスで公開され、英インディー映画界にて『ファーザー』『スーパーノヴァ』に続く第3位の興行収入を記録。特殊メイクなしで実年齢より30歳近く年老いた主人公・トムを演じたティモシー・スポールは、同年イタリアで開催されたバーリ国際映画祭にて最優秀主演男優賞を受賞した。トムの最愛の妻・メアリーを演じたのは大人気テレビシリーズ『ダウントン・アビー』でミセス・ヒューズ役を演じたフィリス・ローガン。本作で主人公・トムが目指すのはイギリス旅行者憧れの聖地“ランズエンド”。道中で出会う雄大な景色とイギリスを代表する実力派俳優が紡ぐ愛の形はまさに必見だ。

最愛の妻を亡くしたばかりのトム・ハーパーはローカルバスのフリーパスを利用してイギリス縦断の壮大な旅に出ることを決意する。目指すは愛する妻と出会い、二人の人生が始まった場所―。行く先々で様々な人と出会い、トラブルに巻き込まれながらも、妻と交わしたある“約束”を胸に時間・年齢・運命に抗い旅を続けるトムは、まさに勇敢なヒーローだ。愛妻との思い出と自身の“過去”ばかりを見つめていたトムが、旅を通して見つけたものとは・・・?

監督:ギリーズ・マッキノン
出演:ティモシー・スポール、フィリス・ローガン
2021年/イギリス/86分

【上映】8/5(金)〜8/18(木)

【料金】通常料金

8月12日[金]公開 ホン・サンス監督作品『イントロダクション』

イントロダクション

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3年連続ベルリン国際映画祭 銀熊賞受賞の快挙。韓国映画界の名匠ホン・サンス監督最新作『イントロダクション』『あなたの顔の前に』2本同時公開!

 

第71回ベルリン国際映画祭銀熊賞(脚本賞)受賞。思い通りにいかない人生の痛みと愛しさ。先の見えない時代に生きる全ての若者たちへ。

ポン・ジュノ監督作品『パラサイト 半地下の家族』やNetflixドラマシリーズ「イカゲーム」など、世界的大ヒット作を世に送り出している韓国の映像業界で、独自のスタイルで揺るぎない国際的評価を築き上げてきた名匠ホン・サンス監督。コロナ禍で撮影された長編第25作目にして、2021年の第71回ベルリン国際映画祭で前年に続き銀熊賞(脚本賞)に輝いた『イントロダクション』は、モラトリアムな時期をさまよう青年を主人公に、前作『逃げた女』の変奏ヴァージョンとも楽しめるモノクロームの青春映画だ。 主人公ヨンホに、『逃げた女』で奇妙なインパクトを放ち、本作の繊細な演技で初主演を飾ったシン・ソクホ。その他、『お嬢さん』のキム・ミニをはじめ、ソ・ヨンファ、キ・ジュボン、チョ・ユニほかホン監督作品の常連キャストが顔を揃えた。

紹介、入門、導入、序文など、そこに込められた全ての意味を内包したと監督が語るタイトル「イントロダクション」、そして観る者の想像力を豊かに押し広げる語りを通して、ままならない人生の中でもがく、未熟な若さゆえの痛みと愛おしさを、モノクロームで詩情豊かに紡いだ青年ヨンホをめぐる三つの物語。

将来の進路も定まらず、まだ何者にもなれないナイーブな青年ヨンホ。韓国とベルリンを舞台に、折り合いの悪い父、夢を追って海外に旅立ってしまった恋人ジュウォン、息子の進路が気がかりな母との再会と三つの“抱擁”を通して、一人の若者の人生が紐解かれていく。誰もが経験する青年期の迷いや喪失、孤独を抱え、恋に夢に破れながらも、やがて心安らぐ温もりに満ちた瞬間が訪れる…。

監督・脚本・撮影・編集・音楽:ホン・サンス
出演:シン・ソクホ、パク・ミソ、キム・ヨンホ、イェ・ジウォン、ソ・ヨンファ、キム・ミニ、チョ・ユニ、ハ・ソングク
2020年/韓国/66分

【上映】8/12(金)〜8/25(木)

【料金】通常料金

【前売券】
ホン・サンス監督作品『イントロダクション』『あなたの顔の前に』
全国共通特別鑑賞券 2作品セット:2800円
特典:特製ポストカードセット

8月12日[金]公開 ホン・サンス監督作品『あなたの顔の前に』

あなたの顔の前に

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3年連続ベルリン国際映画祭 銀熊賞受賞の快挙。韓国映画界の名匠ホン・サンス監督最新作『イントロダクション』『あなたの顔の前に』2本同時公開!

 

ホン・サンス監督×キム・ミニ(プロダクション・マネージャー)が魅せた新境地。主演女優イ・ヘヨン、圧巻のパフォーマンス。残された人生を、いかに心穏やかに生きていけるのか。たった1日の出来事を通して触れる1人の女性の心の深淵。

2022年ベルリン国際映画祭で長編27作目『The Novelist’s Film』で銀熊賞(審査員大賞)を受賞、3年連続銀熊賞受賞の快挙を果たしたホン・サンス監督が、『イントロダクション』と同じく2021年に発表した長編26作目『あなたの顔の前に』。カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションに出品され、中年女性が主役となる本作は、公私にわたるパートナーのキム・ミニがプロダクション・マネージャーを務めたことで話題を集めた注目作だ。本作でホン・サンス作品に初登場にして主演を飾ったのは、韓国歴代の名監督とタッグを組んできた大女優イ・ヘヨン。観る者の心を揺さぶる圧巻のパフォーマンスでミステリアスかつ複雑な主人公を体現し、2022年国際シネフィル協会賞主演女優賞を受賞。『The Novelist’s Film』でも主演を務めている。

長いアメリカ暮らしから突然、妹ジョンオクの元を訪ねて韓国へ帰国した元女優のサンオク。母親が亡くなって以来、久しぶりに家族と再会を果たすが、帰国の理由を妹には明らかにしない。彼女に出演オファーを申し出る映画監督との約束を控えていたが、その内面には深い葛藤が渦巻いていた。サンオクはなぜ自分が捨てたはずの母国に戻り、思い出の地を訪ね歩くのか?捨て去った過去や後悔と向き合いながら、かけがえのない心のよりどころを見出していく、たった一日の出来事が描かれていく。

監督・脚本・製作・撮影・編集・音楽:ホン・サンス
出演:イ・ヘヨン、チョ・ユニ、クォン・ヘヒョ、シン・ソクホ、キム・セビョク、ハ・ソングク、ソ・ヨンファ、イ・ユンミ、カン・イソ、キム・シハ
2021年/韓国/85分

【上映】8/12(金)〜8/25(木)

【料金】通常料金

【前売券】
ホン・サンス監督作品『イントロダクション』『あなたの顔の前に』
全国共通特別鑑賞券 2作品セット:2800円
特典:特製ポストカードセット

8月12日[金]公開 『女神の継承』

女神の継承

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原案・プロデュース ナ・ホンジン。比類なき怒涛の恐怖エンターテインメント。狂乱の儀式が、はじまる。

世界から絶賛された衝撃のデビュー作『チェイサー』、そして『哀しき獣』、『哭声/コクソン』でその名を轟かせた韓国映画界が誇る気鋭ナ・ホンジン。世界中の映画ファンが新作を待ちわびる中、初めて海外の監督とタッグを組み、原案・プロデュースを手がけた待望の新作がいよいよ日本に上陸する。本作制作のきっかけはナ・ホンジンが、『哭声/コクソン』の続編として、ファン・ジョンミンが怪演した祈祷師・イルグァンの物語を思いついたことだった。その構想はタイの祈祷師をモチーフに本作へと受け継がれ、『哭声/コクソン』のアナザー・バージョンとも言える衝撃作が完成した。タイ東北部イサーン地方を舞台にした本作は、深い森や神秘的な洞窟、エキゾチックな儀式を余すところなくカメラに収め、観る者を社会の常識が通用しない戦慄の秘境へと招き入れていく…。

小さな村で暮らす若く美しい女性ミンが、原因不明の体調不良に見舞われ、まるで人格が変わったように凶暴な言動を繰り返す。途方に暮れた母親は、祈祷師である妹のニムに助けを求める。もしやミンは一族の新たな後継者として選ばれて憑依され、その影響でもがき苦しんでいるのではないかー。やがてニムはミンを救うために祈祷を行うが、彼女に取り憑いている何者かの正体は、ニムの想像をはるかに超えるほど強大な存在だった……。

原案・プロデュース:ナ・ホンジン
監督・脚本:バンジョン・ピサンタナクーン
出演:サワニー・ウトーンマ、ナリルヤ・グルモンコルペチ、シラニ・ヤンキッティカン
2021年/タイ・韓国/131分/R18+

【上映】8/12(金)〜8/25(木)

【料金】通常料金

8月12日[金]公開 『シャンタル・アケルマン映画祭』

シャンタル・アケルマン映画祭

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映画に革命を起こした女性監督の代表作、デジタルリマスター版で日本初公開!

 

【上映スケジュール】

■8/12(金)〜8/18(木)
『私、あなた、彼、彼女』
『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』

■8/19(金)〜8/25(木)
『アンナの出会い』
『囚われの女』

■8/26(金)〜9/1(木)
『オルメイヤーの阿房宮』

 

【料金】通常料金

 

【シャンタル・アケルマン】

1950年6月6日、ベルギーのブリュッセルに生まれる。両親は二人ともユダヤ人で、母方の祖父母はポーランドの強制収容所で死去。母親は生き残ったのだという。女性でありユダヤ人でありバイセクシャルでもあったアケルマンは15歳の時にジャン=リュック・ゴダールの『気狂いピエロ』を観たことをきっかけに映画の道を志し、18歳の時に自ら主演を務めた短編『街をぶっ飛ばせ』(68)を初監督。その後ニューヨークにわたり、初めての長編『ホテル・モンタレー』(72)や『部屋』(72)などを手掛ける。ベルギーに戻って撮った『私、あなた、彼、彼女』(74)は批評家の間で高い評価を得た。25歳のときに平凡な主婦の日常を描いた3時間を超える『ジャンヌ・ディエルマンブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番』を発表、世界中に衝撃を与える。その後もミュージカル・コメディ『ゴールデン・エイティーズ』(86)や『囚われの女』(99)、『オルメイヤーの阿房宮』(2011)などの文芸作、『東から』(93)、『南』(99)、『向こう側から』(2002)といったドキュメンタリーなど、ジャンル、形式にこだわらず数々の意欲作を世に放つ。母親との対話を中心としたドキュメンタリー『NoHome Movie』(2015)を編集中に母が他界。同作完成後の2015年10月、パリで逝去。

 

『私、あなた、彼、彼女』

『私、あなた、彼、彼女』

アケルマン自身が演じる名もなき若い女がひとり、部屋で家具を動かし手紙を書き、裸で砂糖をむさぼる。部屋を出た彼女はトラック運転手と行動を共にし、訪れた家で女性と愛を交わす……。撮影時24歳だったアケルマンによる“私”のポートレイト。殺風景な空間と単調な行為が彼女の閉塞感や孤独を際立たせ、激しく身体を重ね合うことで悦びがドラマティックに表現される。観客は彼女の道程を緊張感を持って見つめることによって、その“時間”を彼女と共有する。

監督・脚本:シャンタル・アケルマン
出演:シャンタル・アケルマン、クレール・ワティオン、ニエル・アレストリュプ
1974年/ベルギー・フランス/86分
©Chantal Akerman Foundation

 

『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』

『ジャンヌ・ディエルマン』

ジャンヌは思春期の息子と共にブリュッセルのアパートで暮らしている。湯を沸かし、ジャガイモの皮を剥き、買い物に出かけ、“平凡な”暮らしを続けているジャンヌだったが……。アパートの部屋に定点観測のごとく設置されたカメラによって映し出される反復する日常。その執拗なまでの描写は我々に時間の経過を体感させ、反日常の訪れを予感させる恐ろしい空間を作り出す。主婦のフラストレーションとディティールを汲み取った傑作。ジャンヌを演じるのは『去年マリエンバートで』(61)『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』(72)のデルフィーヌ・セイリグ。

監督・脚本:シャンタル・アケルマン
出演:デルフィーヌ・セイリグ、ジャン・ドゥコルト、ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ
1975年/ベルギー・フランス/200分
©Chantal Akerman Foundation

 

『アンナの出会い』

『アンナの出会い』

最新作のプロモーションのためにヨーロッパの都市を転々とする女流映画監督を描く、アケルマンの鋭い人間観察力が光る一本。教師、母親、母親の友人らとの接触を挟みながら、常に孤独に彷徨い歩く主人公アンナの姿と、日常に溶け込みはしない断片的な空間と時間とを通して、アイデンティティや幸福の本質が絶妙な構成で描き出されている。『パリ・テキサス』(84)のオーロール・クレマン、『キャバレー』(72)のヘルムート・グリーム、『フェリーニのアマルコルド』(73)のマガリ・ノエルとアケルマン作品にしては豪華なキャストが揃う。

監督・脚本:シャンタル・アケルマン
出演:オーロール・クレマン、ヘルムート・グリーム、マガリ・ノエル
1978年/ベルギー・フランス・ドイツ/127分
©Chantal Akerman Foundation

 

『囚われの女』

『囚われの女』

祖母とメイド、そして恋人のアリアーヌとともに豪邸に住んでいるシモンは、アリアーヌが美しい女性アンドレと関係を持っていると信じ込み、次第に強迫観念に駆られていく。マルセル・プルーストの「失われたときを求めて」の第五篇、「囚われの女」の大胆で自由な映像化。嫉妬に苛まれ、愛の苦悩に拘束される虜囚の境地をアケルマンは洗練された表現で描写する。ジャン=リュック・ゴダールの『軽蔑』(63)やアルフレッド・ヒッチコックの『めまい』(58)をも想起させるこの傑作は公開年の「カイエ・デュ・シネマ」ベストテンで2位に選ばれた。

監督・脚本:シャンタル・アケルマン
出演:スタニスラス・メラール、シルヴィ・テスチュー、オリヴィエ・ボナミ
2000年/フランス/117分
©Corbis Sygma - Marthe Lemelle


『オルメイヤーの阿房宮』

『オルメイヤーの阿房宮』

東南アジア奥地の河畔にある小屋で暮らす白人の男オルメイヤー。彼は現地の女性との間に生まれた娘を溺愛し外国人学校に入れるが、娘は父親に反発するように放浪を重ねていく……。『地獄の黙示録』(79)のもとになった「闇の奥」で知られるイギリスの作家ジョゼフ・コンラッドの処女小説を脚色。時代も場所も明かされず抽象化された設定の中で、狂気と破滅の物語が繰り広げられる。原作の持つ実存主義と家父長制という重苦しいテーマを孕みながらも、アジアの街並みを自在に歩き回る娘を横移動で捉えたカメラが素晴らしく、幻想的なまでに美しい。

監督・脚本:シャンタル・アケルマン
出演:スタニスラス・メラール、マルク・バルベ、オーロラ・マリオン
2011年/ベルギー・フランス/127分
©Chantal Akerman Foundation