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↓1月の上映予定作品↓

1月21日[金]公開 『ゼロ・ウェイストPLUS〜持続可能な暮らし〜』

ゼロ・ウェイストPLUS

公式サイト

ごみを出さない…ゼロ・ウェイストの最前線を追ったドキュメンタリー!

年間800万t以上ものごみが海に捨てられ続けている。プラスチックのゴミは年間1270万トン以上。その総量は5兆2500億トンにも及んでいる。これらは細かく砕けたマイクロプラスチックとなり、今や全世界の食塩の中にもそれらプラスチックが検出できるようになっているのだ。この増え続けるごみは、見方を変えると資源となる。地球の中で還元化することが出来たら、限りある地球環境を持続可能な世界にしていくことができるのではないか?この逆転の発想が出来たら、大きな飛躍のチャンスとなっていくだろう。そのことを感じさせる希望ある取り組みをとり上げながら、持続可能な社会をどのように創造していくかを探っていく。
徳島県上勝町は日本で初めてのゼロ・ウェイストを宣言した。 小さな町がどのようにして“ごみゼロ”に取り組んでいるのか?ゼロ・ウェイストに取り組む個人、宿泊施設などの取り組み、微生物技術を活用したごみ処理場の取材から、持続可能な暮らしの在り方を問う。
世界中の映画祭で様々な賞を受賞し、3年3ヶ月というロングラン記録を達成した『祈り〜サムシンググレートとの対話〜』、チケットを購入しても劇場に入れないくらい人気を博した『リーディング〜エドガー・ケイシーが遺した、人類の道筋。〜』を世に送り出した白鳥哲監督が、今回は人類に降りかかる「ごみ問題」という難しいテーマに挑んでいる。

監督・製作総指揮・ナレーション:白鳥哲
出演:武本匡弘、坂野晶、溜本弘樹、片山初枝、菅翠、東輝実、益永由紀、芳川太佳子、遠藤稔、氏本長一
2021年/日本/66分/ドキュメンタリー

【上映】1/21(金)〜2/3(木)

【料金】一般1500円 / シニア1200円 / 学生・会員1000円

※各種割引サービス利用可

【イベント】白鳥 哲監督の舞台挨拶開催

『ゼロ・ウェイストPLUS〜持続可能な暮らし〜』監督舞台挨拶

■日時
2022年1月22日(土)13:00の回 上映後、舞台挨拶

※イベント上映回は招待券不可。

■ゲスト
白鳥 哲監督

■注意事項
・新型コロナウィルス感染予防対策を行います。
・ご来館前の検温、ご自身の体調を確認のうえ、発熱や咳などの症状がある場合はご来館をお控えください。
・ご来場のお客様はマスクの着用をお願いします。
・新型コロナの状況により、急遽内容を変更する場合があります。

■予約受付あり
イベント参加のご予約できます。
・劇場窓口 または お電話 からご予約下さい。
・ご予約の際は、お名前とご連絡先をお伝え下さい。

長野相生座・ロキシー[TEL 026-232-3016]

1月21日[金]公開 『PITY ある不幸な男』

PITY ある不幸な男

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アカデミー賞脚本賞にノミネートされた『ロブスター』脚本家、エフティミス・フィリップが贈る最悪のサイコスリラー。

2018年サンダンス国際映画祭ワールドシネマドラマティックコンペティション部門でプレミア上映後、数々の映画祭に出品され話題を呼んだ本作。『籠の中の乙女』『ロブスター』など、ヨルゴス・ランティモス作品を多く手掛け、アカデミー賞脚本賞にノミネートされた脚本家エフティミス・フィリップとギリシャの新鋭監督バビス・マクリディスがタッグを組み、人間の本質を暴く不穏なサイコスリラーが誕生。歪んだ男のエゴイズムを美しく、淡々と描く怪作がついに日本公開。

不幸なときだけ幸せを感じる男の物語。ティーンエイジャーの一人息子と、小綺麗な家に住み、健康で、礼儀正しく、概ね身だしなみは良い、一見何不自由ない弁護士の男性。しかし彼の妻は不慮の事故により昏睡状態に陥っている。彼の日々は妻を想ってベッドの隅で咽び泣き、取り乱すことから始まる。境遇を知り、毎朝ケーキを差し入れる隣人、割引をするクリーニング屋、気持ちに寄り添う秘書など同情心から親切になる周囲の人々。この出来事がもたらした悲しみはいつしか心の支えとなり、次第に依存してゆく。そんなある日、奇跡的に妻が目を覚まし、悲しみに暮れる日々に変化が訪れ……。楽園を失った男はやがて自分自身を見失い、暴走する。

監督:バビス・マクリディス
脚本:バビス・マクリディス、エフティミス・フィリップ
出演:ヤニス・ドラコプロス、エヴィ・サウリドウ、マキス・パパディミトリウ
2018年/ギリシャ・ポーランド/99分

【上映】1/21(金)〜2/3(木)

【料金】通常料金

1月21日[金]公開 『中島みゆき 劇場版 ライヴ・ヒストリー 2007-2016 歌旅〜縁会〜一会』

中島みゆき 劇場版 ライヴ・ヒストリー 2007-2016 歌旅〜縁会〜一会

公式サイト

中島みゆき 劇場版 最新作。2007〜2016年に行われた、中島みゆき伝説のライヴ<歌旅〜縁会〜一会>より、「糸」「ファイト!」「時代」「地上の星」「空と君のあいだに」他、珠玉の15曲を一挙披露!

中島みゆきが2007〜2016年までに行い、その後映像化、そして全国の映画館で公開された3つの劇場版ライヴ作品より厳選された15曲が、2022年1月21日(金)より『中島みゆき 劇場版 ライヴ・ヒストリー 2007-2016歌旅〜縁会〜一会』として、全国映画館で一斉公開!『中島みゆきLIVE「歌旅劇場版」』からは「糸」「宙 船(そらふね)」「ファイト!」「誕生」「地上の星」、『中島みゆき「縁会2012〜3 劇場版」』からは「空と君のあいだに」「時代」「倒木の敗者復活戦」「世情」「ヘッドライト・テールライト」、『中島みゆきConcert「一会(いちえ)」2015〜2016 劇場版』からは「旅人のうた」「命の別名」「浅い眠り」「麦の唄」「ジョークにしないか」と、珠玉の15曲を一挙披露。毎回チケット入手困難と言われる中島みゆきのライヴが、迫力の5.1chサラウンドで映画館の大スクリーンに甦り、あたかもコンサート会場の最前列にいるかのような臨場感で体感できます。この貴重な機会をお見逃しなく!

《上映セットリスト/全15曲》
糸/宙 船(そらふね)/ファイト!/誕生/地上の星/空と君のあいだに/時代/倒木の敗者復活戦/世情/ヘッドライト・テールライト/旅人のうた/命の別名/麦の唄/浅い眠り/ジョークにしないか

2022年/日本/約85分
配給:ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
©2022 YAMAHA MUSIC ENTERTAINMENT HOLDINGS, INC.

【上映】1/21(金)〜

【特別料金】2600円
※各種割引サービス・会員割引 適用不可
※招待券・会員ポイント使用などの 無料鑑賞不可

【前売券】2400円 下記にて発売中!

@上映劇場
A映画前売券のことならメイジャー(https://www.major-j.com/
Bムビチケ前売券(オンライン)(https://mvtk.jp/
C全国コンビニエンスストア

1月21日[金]公開 『グロリア 永遠の青春』

グロリア 永遠の青春

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ジュリアン・ムーア × セバスティアン・レリオ。アカデミー賞女優と監督の豪華コンビで贈る“大人の青春”に胸が高鳴るロマンティック・ラブストーリー!

『アリスのままで』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたジュリアン・ムーアが、『ナチュラルウーマン』で同賞の外国語映画賞を受賞したセバスティアン・レリオ監督の『グロリアの青春』に惚れ込みリメイクを熱望。そのラブコールを受け、レリオ監督自身がハリウッドの豪華キャストを迎えて生まれ変わらせたのが、本作『グロリア 永遠の青春』だ。主人公のグロリアを演じるジュリアン・ムーアは、年齢を重ねることに戸惑いながら、それでも仕事に恋に、人生を自由に生きたいと願うひとりの女性の、パワフルで繊細な等身大の“大人の青春像”をありのままに演じ切った。恋人役を演じた名優ジョン・タトゥーロは、『バートン・フィンク』でカンヌの最優秀主演男優賞を受賞した実力派として活躍しており、本作では新しい恋愛を成就させたいと切望しながら、家庭事情に阻まれてしまう晩年期のリアルな男性像を生々しく体現している。「いくつになっても、人生は輝くことができる──」。この冬、凛々しく力強いグロリアの愛の物語が、最高にロマンティックな“大人の青春”を讃え、今を生きるあなたに、勇気と希望に満ちた爽やかなエールを贈る──。

監督・製作・脚本:セバスティアン・レリオ
出演:ジュリアン・ムーア、ジョン・タトゥーロ
2018年/アメリカ/101分/PG12

【上映】1/21(金)〜2/3(木)

【料金】通常料金

1月28日[金]公開 『ただ悪より救いたまえ』

ただ悪より救いたまえ

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祖国から見捨てられた凄腕の暗殺者と、裏社会でも恐れられる凶暴な殺し屋。絶対に出会ってはいけない2人が激突する。韓国映画がもっとも得意とするノワール・アクションを一新する、壮絶なバイオレンス・エンターテインメント。

ナ・ホンジン監督の衝撃作『チェイサー』『悲しき獣』の脚本を手掛け、国内外に衝撃を与えた異才ホン・ウォンチャン。本作では監督・脚本を務め、二人の男の死闘を、すさまじい暴力とスタイリッシュなアクションで描き出す。韓国、日本、タイを舞台にした壮大な殺戮の物語は、2020年韓国で『新感染半島 ファイナル・ステージ』をも超える動員を果たし大ヒット!世界56カ国で公開が決定した、韓国ノワール・アクションの傑作が誕生した。主人公の暗殺者インナム役は、韓国が誇る名優ファン・ジョンミン。殺し屋レイには、『新しき世界』ではファン・ジョンミンと義兄弟の絆で結ばれていたイ・ジョンジェ。気心の知れた2大スターの共演だが、今回は心の交流は一切無用。行き交うのは暴力のみという血なまぐさい関係性で狂気と狂気をぶつけ合う。

東京でのミッションを最後に、引退するはずだった暗殺者インナム。ところがかつての恋人がバンコクで殺害され、別れた後に生まれたインナムとの娘が行方不明だと知らされる。インナムはバンコクに飛び、関わった者を次々と拷問にかけて娘の居所を突き止める。そして、インナムに兄を殺された殺し屋レイも、復讐のためにバンコクに降り立ち、死体の山を築きながらインナムに迫っていた。絶対に出会ってはいけなかった2人の男の暴走は、どちらかの息の根が止まるまで終わらない―

監督・脚本:ホン・ウォンチャン
出演:ファン・ジョンミン、イ・ジョンジェ、パク・ジョンミン、白竜、豊原功補
2020年/韓国/108分/PG12

【上映】1/28(金)〜2/10(木)

【料金】通常料金

1月28日[金]公開 『香川1区』

香川1区

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前代未聞の“政治参加型”ドキュメンタリー!『なぜ君は総理大臣になれないのか』公開から1年半―― 総選挙2021、そこで何が起きていたのか。

衆議院議員・小川淳也氏(立憲民主党)の初出馬からの17年間を追った『なぜ君は総理大臣になれないのか』(2020年)は、ドキュメンタリー映画としては異例の観客動員35,000人を超える大ヒットを記録、数多くのプラットフォームで配信され、いまなお広がり続けている。
その続編にあたる本作は、2021年の衆議院選挙に焦点をあて全国最注目の「香川1区」を与野党両陣営の有権者の視点も織り交ぜ描いていく。背水の陣で挑む小川淳也、その相手候補である自民党の平井卓也(初代デジタル大臣)、そこに急遽参戦した日本維新の会の町川順子。混沌深まる選挙戦に大島監督ならではの視点で密着。香川1区の有権者が政治家に求めたものは何だったのか。そして、この国の民主主義の成熟度はいかに……。

監督:大島新
2022年/日本/156分/ドキュメンタリー

【上映】1/28(金)〜

【料金】通常料金

【イベント】『香川1区』公開記念特別企画

大島新×地元記者全国巡業トーク第一弾「香川1区と長野1区」

大島新×地元記者全国巡業トーク第一弾「香川1区と長野1区」

※イベント詳細は画像をクリック

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2月4日[金]公開 『弟とアンドロイドと僕』

弟とアンドロイドと僕

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阪本順治監督×豊川悦司主演。「究極の孤独」を描いた禁断の問題作。

阪本順治が「これを撮らなければ自分は先に進めない」という覚悟で取り組んだ本作。前作『一度も撃ってません』のドライなユーモアから一転し、自身の人生観や思索の後が色濃く反映した禁断の問題作となっている。主人公の桐生薫を演じたのは、日本映画を代表する俳優・豊川悦司。阪本監督は脚本執筆前から主演に豊川をイメージ。ルックスや空気感も含め、役者としての持ち味を生かしつつ特異なキャラクターを創造した。義理の弟役には、エッジの利いた芝居に磨きがかかる安藤政信。父親役にはベテラン・吉澤健。ほかにも風祭ゆき、本田博太郎など個性的な演技派ががっちりと脇を固めている。

主人公の桐生薫は、孤独なロボット工学者。子どもの頃からずっと、自分が存在している実感を抱けないまま生きてきた。そんな不安を打ち消すため、今は誰も訪れない古い洋館で、「もう一人の“僕”」として、自分そっくりのアンドロイド開発に没頭していた。そんなある日、ずっと会っていなかった腹違いの弟が桐生のもとに訪れる。寝たきりの父親。駅で出会った謎の少女。様々な人々が交錯する中、桐生ともう一人の“僕”の間には“ある計画”があった─。

監督・脚本:阪本順治
出演:豊川悦司、安藤政信、風祭ゆき、本田博太郎、吉澤健
2020年/日本/94分

【上映】2/4(金)〜

【料金】通常料金

2月4日[金]公開 『〈主婦〉の学校』

主婦の学校

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北欧アイスランドにある男女共学の「主婦の学校」が教えるのは「いまを生きる」ための知恵と技術。自分のことが自分で出来ると、人生はきっと楽しくなる。

世界最北の首都、アイスランドのレイキャビクに、1942年に創立された伝統ある「主婦の学校」がある。調理、洗濯、掃除、裁縫、編み物、刺繍、穴の繕い、アイロンがけ、消火器の使い方…生活全般の家事を実践的に教える、一学期定員24名の小さな学校。若い女性を良き主婦の育成する花嫁学校が、1990年代には男子学生も受け入れて男女共学となった。いまの学生には、家事の基本だけでなく、衣服の修理や食品ロスなどサステイナブルなことを古くから教えているのも魅力のひとつ。後に環境大臣となった男性卒業生は「いまこそ意義がある」と語る。学位ではなく、〈自立した人生を楽しむための術〉を身につけた学生たちは、生涯の友と共に誇らしげに学校を巣立っていく。
本作は、時代の移り変わりと共にその役割を変化させてきた「主婦の学校」に注目したドキュメンタリー。アイスランドは、2021年世界経済フォーラム公表のジェンダーギャップ指数ランキングにて12年連続1位の “ジェンダー平等” が進んでいる国。「主婦とは家事を担う既婚女性」という既成概念を打ち破り、「主婦とは性別に関わりなく〈生活を大切にする〉営みを続ける人」であることを、この学校の学びは気づかせる。〈主婦〉とはなにか?そして、家事を人ごとではなく「自分ごと」とする暮らしとは?長編デビューとなったアイスランドの新鋭女性監督ステファニア・トルスによる本作は、家で過ごす時間が多くなったコロナ禍以降、暮らしや家事のあり方を柔らかく問いかける。

監督:ステファニア・トルス
2020年/アイスランド/78分/ドキュメンタリー

【上映】2/4(金)〜2/17(木)

【料金】通常料金

2月4日[金]公開 『ヴォイス・オブ・ラブ』

ヴォイス・オブ・ラブ

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セリーヌ・ディオンの人生から生まれた物語。製作費30億円をかけた音楽エンターテインメントの決定版。

アルバム総売上2億5000万枚を超え、音楽史上最も人気のあるアーティストの一人、セリーヌ・ディオン。14人兄弟の末っ子として生まれ、後の夫となるプロデューサーに才能を見いだされた彼女は12歳で歌手デビュー。以降、スーパースターとしての階段を駆け上がり、数々の名曲を世に贈り出してきた。本作では、今なお輝きを放つセリーヌの半生を初めて映画化! 監督と脚本、さらに主演を務めたのはフランスが誇る国民的スター、ヴァレリー・ルメルシエ。ユーモアとフィクションを交えながらセリーヌの半生を、愛を込めて忠実に再現。実在のセリーヌ・ディオンは今も活躍中で、世界に一人しかいない大スターへの敬意を表するために本作では役名をアリーヌとした。セリーヌ・ディオンの楽曲は、今回大抜擢されたフランスで活躍中の歌手ヴィクトリア・シオが圧倒的な歌唱力で絶妙にカバーしている。

カナダ・ケベック州で生まれたアリーヌは、次第に抜きんでた歌の才能を発揮する。家族やプロデューサーの支えのもと、ケベックからパリ、そして世界へとディーヴァへの旅が始まる――。
世界中を熱狂させたステージの裏側にあった、世界的歌姫の知られざる愛の物語。歌で人々を幸せにしたいという夢に向かって進んだ二つの魂の絆が《愛の声》に乗ってすべての人の心に響く。

監督・脚本:ヴァレリー・ルメルシエ
出演:ヴァレリー・ルメルシエ、シルヴァン・マルセル、ダニエル・フィショウ、ロック・ラフォーチュン、アントワーヌ・ヴェジナ
2020年/フランス・カナダ/126分

【上映】2/4(金)〜2/17(木)

【料金】通常料金

2月4日[金]公開 『夜空に星のあるように』

夜空に星のあるように

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カンヌ国際映画祭でパルム・ドール(最高賞)を2度受賞!ケン・ローチ監督の記念すべき長編映画デビュー作が53年の時を経てスクリーンに!

80歳をこえて尚、新作を発表しているケン・ローチ監督はデビュー以来一貫してリベラルの立場に寄り添った映画作りで世界の映画人からリスペクトされている巨匠だ。2000年代に入って「麦の穂をゆらす風」(06)、「わたしは、ダニエル・ブレイク」(16)の2作品がパルム・ドールに選ばれたのが何よりの証。格差社会、貧困、人種差別といった社会問題を取り上げ、労働者階級やときに第三世界からの移民たちの日常を徹底したリアリズムで描いてきたローチ監督は右派サッチャー政権下では不遇の時代を迎えていたが、90年代以降大復活を遂げた不屈の映画作家である。プロ・アマ問わないキャスティング、ロケ撮影中心、大胆なシーンの省略、即興性等、監督の映画に見られる特長は処女作である本作においてすでに顕著である。夢と現実のはざまで揺れ動きながら生き抜こうとする女性ジョイを静かに見つめる監督の視線の温かさは、半世紀以上経った今も不滅の輝きを放って私たちに感動を与えてくれる。

ロンドンの労働者階級に生まれた18歳のジョイは、泥棒稼業で生計を立てている青年・トムと成り行きで結婚し妊娠、出産する。ところが、トムは赤ん坊に無関心ですぐ彼女に手をあげる始末。トラブル続きのある日、トムが逮捕され、ジョイは叔母の家に厄介に。そこに夫の仲間だったデイヴが訪ねてくる。やがて彼女は優しいデイヴに惹かれ一緒に幸せな日々を送るが、彼もまた逮捕されてしまう。獄中のデイヴに手紙を書き続けながらジョイはまだ幼い息子ジョニーとともに懸命に生きていくが――

監督・脚本:ケン・ローチ
音楽:ドノヴァン
出演:テレンス・スタンプ、キャロル・ホワイト、ジョン・ビンドン、クイーニ・ワッツ、ケイト・ウィリアムス
1967年/イギリス/102分

【上映】2/4(金)〜2/17(木)

【料金】通常料金

2月11日[金]公開 『茲山魚譜 チャサンオボ』

茲山魚譜-チャサンオボ-

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流刑の天才学者と貧しき漁師は、互いの知識を交換し師となり友となった。生きる意味を追い求めた二人の絆を、実話を基に描いた感動の物語。

日本でも渋沢栄一の孫、敬三が翻訳版の出版を志した、韓国で有名な海洋生物学書「茲山魚譜」(チャサンオボ)。本作はこの書に記された史実を基に、身分の違う師弟の絆とその行く末を描いた感動の物語だ。実在した学者・丁若銓を演じるのは、時代劇初出演となるソル・ギョング。過酷な状況下でも好奇心と知識欲を忘れない天才学者を圧巻の演技力で魅せている。その瞳に限りない学問への欲求と野心をみなぎらせる昌大には、「ミセン−未生−」などで人気のピョン・ヨハン。また『パラサイト 半地下の家族』のイ・ジョンウンをはじめ、リュ・スンリョン『エクストリーム・ジョブ』、ミン・ドヒ「応答せよ1994」など人気俳優たちが脇を固め、賑やかに作品を彩る。監督は『王の運命−歴史を変えた八日間−』など激動の時代を生き抜く人々の姿を描いてきたイ・ジュニク。あえてモノクロームで描かれた映像は、水墨画のような美しさを放ち観客を魅了する。

監督:イ・ジュニク
出演:ソル・ギョング、ピョン・ヨハン、リュ・スンリョン、イ・ジョンウン、ミン・ドヒ
2021年/韓国/126分

【上映】2/11(金)〜2/24(木)

【料金】通常料金

2月11日[金]【再上映】 『ドライブ・マイ・カー』

『ドライブ・マイ・カー』

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★第74回カンヌ国際映画祭4冠!(脚本賞・国際映画批評家連盟賞・AFCAE賞・エキュメニカル審査員賞)
★第79回ゴールデングローブ賞 非英語映画賞受賞!
★第56回全米映画批評家協会賞4冠!(作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞[西島秀俊])

[原作]村上春樹×[主演]西島秀俊×[監督]濱口竜介。映画史を書き換える至高の179分!新たなる傑作の誕生!

数々のベストセラーを生み出してきた作家・村上春樹による、珠玉の短編小説「ドライブ・マイ・カー」。妻を失った男の喪失と希望を綴ったこの作品に惚れ込み映画化を熱望、自ら脚本も手掛けるのは、いま世界が最も熱い注目を寄せる濱口竜介監督。これまで、カンヌ(『寝ても覚めても』コンペティション部門出品)、ベルリン(『偶然と想像』銀熊賞受賞)、ヴェネチア(共同脚本作『スパイの妻』銀獅子賞受賞)など世界三大映画祭を席巻し、その名を轟かせてきた。待望の最新長編作となる本作も見事、本年度のカンヌ国際映画祭で日本映画としては史上初となる脚本賞を受賞。加えて、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の独立賞も受賞し、4冠獲得の偉業を果たした!

これまで、圧倒的な脚本力と豊かな映画表現で、人間がもつ多面性や複雑な感情をあぶりだしてきた濱口監督。本作では原作の精神を受け継ぎながらも、「ワーニャ伯父さん」、「ゴドーを待ちながら」という時代を超えて愛されてきた演劇要素を大胆に取り入れ、ストーリーと映画内演劇が重層的に呼応しあう驚異的な物語を紡ぎだした。さらに広島・東京・北海道・韓国などのスケール感あるロケーションと、名手・四宮秀俊撮影による美しさと厳しさが溶け合う映像美は観る者を魅了し、物語へと引き込んでいく。

主人公の家福を演じるのは、日本映画界に欠かせない名優、西島秀俊。行き場のない喪失を抱えながらも、希望へと一歩を踏み出していく心の機微を見事に体現した。ドライバーのみさきには、高い演技力に加え、歌手としても活躍するなど多彩な才能で注目を集める三浦透子。さらに、物語を大きく動かすキーパーソンの高槻に岡田将生。家福の妻・音を霧島れいかが演じるなど、実力派俳優陣が集結。胸に迫る演技で、物語をより一層深化させている。また、韓国・台湾・フィリピン・インドネシア・ドイツ・マレーシアからオーディションで選ばれた海外キャストも出演。日本人キャストとの見事なアンサンブルを見せ、劇中の多言語劇を中心に9つの言語を交えて展開する、誰も観たことのない唯一無二の物語を彩る。

舞台俳優であり演出家の家福(かふく)は、愛する妻の音(おと)と満ち足りた日々を送っていた。しかし、音は秘密を残して突然この世からいなくなってしまう――。2年後、広島での演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去をもつ寡黙な専属ドライバーのみさきと出会う。さらに、かつて音から紹介された俳優・高槻の姿をオーディションで見つけるが…。喪失感と“打ち明けられることのなかった秘密”に苛まれてきた家福。みさきと過ごし、お互いの過去を明かすなかで、家福はそれまで目を背けてきたあることに気づかされていく。人を愛する痛みと尊さ、信じることの難しさと強さ、生きることの苦しさと美しさ。最愛の妻を失った男が葛藤の果てに辿りつく先とは――。

監督・脚本:濱口竜介
原作:村上春樹「ドライブ・マイ・カー」(短編小説集「女のいない男たち」所収/文春文庫刊)
出演:西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、岡田将生
2021年/日本/179分/PG12

【上映】2/11(金)〜

【料金】通常料金

2月18日[金]公開 『JOINT』

JOINT

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名簿売買、暴力団、特殊詐欺、ベンチャー投資、外国人犯罪組織―― これが現代日本の犯罪のリアルだ。現在進行形の”裏社会“をドキュメントタッチで描く新たなジャパニーズ・ノワール!

普段、我々が気軽に登録している個人情報が知らないうちに特殊詐欺のための名簿として売買されている実態をリアルに描いたクライムムービー『JOINT』。監督は、本作が長編監督デビューとなる新鋭・小島央大。そして主人公・石神を演じるのは、本作が俳優デビューとなる山本一賢。小島監督は、現代の東京で身近に起きている詐欺犯罪の闇を描くにあたり、徹底したリサーチを実施。また、ドキュメンタリーに近い生っぽさにこだわり、役者陣には演技経験よりも“個性”や“ルック”を重視したキャスティングを敢行。圧倒的なリアリティと、アートフィルムとしての作家性が融合した新感覚のジャパニーズ・ノワールを生み出した。
刑務所から出所した半グレの石神は、個人情報の「名簿」を元手に、特殊詐欺用の名簿ビジネスを再開する。真っ当に生きたいと望む彼はベンチャービジネスに介入し投資家へと転身を図るも、裏家業から足を洗うのは至難の業だった。そんな石神の周囲でうごめく、関東最大の暴力団と外国人犯罪組織の影。それぞれの抗争に挟まれた石神。白か黒か曖昧な世界で、“何者か”になろうともがく石神は、いかなる決断を下すのか。

監督:小島央大
出演:山本一賢、キム・ジンチョル、キム・チャンバ、三井啓資、樋口想現、伊藤祐樹、櫻木綾、鐘ヶ江佳太、林田隆志、宇田川かをり、平山久能、二神光、伊藤慶徳、片岸佑太、南部映次、尚玄、渡辺万美
2020年/日本/115分

【上映】2/18(金)〜3/3(木)

【料金】通常料金

2月18日[金]公開 『ボストン市庁舎』

ボストン市庁舎

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巨匠フレデリック・ワイズマン最新作。警察、消防、保健衛生、出生、結婚、死亡記録、数百種類ものサービスを提供するボストン市役所の挑戦。

『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』で知られるドキュメンタリー界の“生ける伝説”フレデリック・ワイズマンが選んだ新作の舞台は、ワイズマン生誕の地でもあるマサチューセッツ州のボストン市庁舎。カメラは飄々と市庁舎の中へ入り込み、市役所の人々とともに街のあちこちへ動き出す。そこに映し出されるのは、警察、消防、保健衛生、高齢者支援、出生、結婚、死亡記録など、数百種類ものサービスを提供する市役所の仕事の舞台裏。ワイズマンが軽やかに切り取るこれらの諸問題は、長年にわたり彼が多くの作品で取り上げてきた様々なテーマに通じ、まさにワイズマンの「集大成」ともいえる仕上がりだ。2020年「カイエ・デュ・シネマ」誌ベスト1に選出。

多様な人種・文化が共存する大都市ボストンを率いるのは、アイルランド移民のルーツを持つ労働者階級出身のマーティン・ウォルシュ市長(2021年3月23日よりアメリカ合衆国労働長官に就任)。2018〜19年当時のアメリカを覆う分断化の中、「ここではアメリカ合衆国の問題を解決できません。しかし、一つの都市が変われば、その衝撃が国を変えてゆくのです。」と語る市長と市職員たちの挑戦を通して「市民のための市役所」の可能性が見えてくる。それはコロナ禍で激変する日本社会に暮らす私たちにもますます切実な問題だ。私たちが知る<お役所仕事>という言葉からは想像もできない、一つ一つが驚きとユーモアと問題提起に満ちた場面の数々。ボストン市庁舎を通して「人々がともに幸せに暮らしていくために、なぜ行政が必要なのか」を紐解きながら、いつの間にかアメリカ民主主義の根幹が見えてくるドキュメンタリーが誕生した。

監督・製作・編集・録音:フレデリック・ワイズマン
2020年/アメリカ/274分/ドキュメンタリー

【上映】2/18(金)〜3/3(木)

【特別料金】
一般2800円/シニア・学生2500円/障がい者割引2000円

※各種割引サービス・会員割引 適用不可
※招待券・会員ポイント使用などの 無料鑑賞不可

【市役所割】
市役所で働く職員の皆さまに特別料金にてご覧いただける「市役所割」を実施します。(県などの役所も含みます)
・窓口で「職員証」または職員証に準ずるものをご提示ください。当日料金2200円でご鑑賞いただけます。

【前売券】(劇場窓口にて販売中)
全国共通特別鑑賞券:2500円
特典:特製ポストカード

2月18日[金]公開 『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男

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巨大企業の隠蔽を暴き、独りで闘った弁護士の実話を基に描く衝撃の物語

2016年1月6日のニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたその記事には、米ウェストバージニア州のコミュニティを蝕む環境汚染問題をめぐり、ひとりの弁護士が十数年にもわたって巨大企業との闘いを繰り広げてきた軌跡が綴られていた。そしてこの驚くべき記事は、マーベル・シネマティック・ユニバースのブルース・バナー/ハルク役で絶大な人気を博した実力派俳優マーク・ラファロの心を動かした。環境活動家でもあるラファロは、プロデューサーも兼任して映画化に向けて動き出した。ロブをスーパーヒーローでも聖人でもない生身の人間として体現し、観る者の深い共感を呼び起こす。世界有数の化学企業を敵に回したことで生じる強烈なプレッシャー、公私両面の凄まじいストレスなどの“正義の代償”を伝える一方、弱き者を救おうとする弁護士の揺るぎない信念を感動的に演じきった。人命さえ脅かす化学物質の存在が身近な恐怖として描かれ、闇の中の真実をひたむきに追求するロブの姿から目が離せない。
ラファロを盛り立てる脇役のキャストにもビッグネームが集結した。『レ・ミゼラブル』でアカデミー賞助演女優賞に輝いたアン・ハサウェイがロブの最大の理解者である妻サラに扮し、『ミスティック・リバー』で同じくアカデミー賞助演男優賞を受賞したティム・ロビンスがロブの威厳ある上司タープを演じる。そしてラファロからの直々のオファーを快諾し、本作のメガホンを執ったのはトッド・ヘインズ。カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された『ベルベット・ゴールドマイン』『キャロル』、アカデミー賞脚本賞にノミネートされた『エデンより彼方に』などで知られる鬼才が、実話に基づく社会派リーガル・ドラマという新境地に挑み、卓越した語り口で観る者を魅了する。

監督:トッド・ヘインズ
出演:マーク・ラファロ、アン・ハサウェイ、ティム・ロビンス、ビル・キャンプ、ヴィクター・ガーバー、ビル・プルマン
2019年/アメリカ/126分

【上映】2/18(金)〜3/3(木)

【料金】通常料金

2月25日[金]公開 『GUNDA/グンダ』

GUNDA グンダ

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母ブタGUNDAと農場に暮らす動物たちの深遠なる世界。イマジネーションを刺激する〈93分〉未踏の映像体験。世界の名だたる映画作家が大絶賛の傑作ドキュメンタリー!

ある農場で暮らす母ブタGUNDA。生まれたばかりの子ブタたちが、必死に立ち上がり乳を求める。一本脚で力強く地面を踏み締めるニワトリ。大地を駆け抜けるウシの群れ――。
迫力の立体音響で覗き見るその深遠なる世界には、ナレーションや人口の音楽は一切ない。研ぎ澄まされたモノクロームの映像は本質に宿る美に迫り、驚異的なカメラワークは躍動感あふれる生命の鼓動を捉える。ただ、そこで暮らす生き物たちの息吹に耳を傾けると、誰も気に留めないようなその場所が、突如“無限の宇宙”に変わる―― 誰も観たことのない映像体験が待ち受ける。
斬新な手法と叙情豊かな語り口で描かれる映像詩に、名優ホアキン・フェニックスがエグゼクティブ・プロデューサーに名乗りをあげ、世界の名だたる映画作家たちが大絶賛!これまでに国内外で100以上の映画賞を受賞し、“最も革新的なドキュメンタリー作家”と称される、ヴィクトル・コサコフスキー監督渾身の傑作ドキュメンタリー『GUNDA/グンダ』をスクリーンで体感せよ!

監督・脚本・編集・撮影:ヴィクトル・コサコフスキー
エグゼクティブ・プロデューサー:ホアキン・フェニックス、トーネ・グルットヨル・グレンネ
2020年/アメリカ・ノルウェー/93分/ドキュメンタリー

【上映】2/25(金)〜3/10(木)

【料金】通常料金

2月25日[金]公開 『声もなく』

声もなく

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韓国映画に新たな傑作が誕生! 初長編にして青龍映画賞・百想芸術大賞で5冠の快挙! 世界の映画賞でも続々受賞アジア全域アカデミー賞で2冠!
闇の仕事を請け負う口のきけない青年と、両親に身代金を払ってもらえない少女との邂逅。切なさが胸を貫く、珠玉のサスペンス。

貧しさゆえ、犯罪組織からの下請け仕事である死体処理で生計を立てる口のきけない青年テインと片足を引きずる相棒のチャンボクは、身代金目的で誘拐された11歳の少女チョヒを、1日だけ預かることになる。トラブルが重なり、テインとチョヒの疑似家族のような奇妙な生活が始まるが、チョヒの親から身代金が支払われる気配はなく…出会うはずのなかった者たちの巡り合わせが、韓国社会で生きる声なき人間たちの孤独を浮き彫りにする。

テインを演じるのは、『バーニング 劇場版』のユ・アイン。韓国屈指のスター俳優にも関わらず、新人監督の低予算オリジナル脚本作品への出演が大きな話題を呼び、更には、一切セリフのない難役に、体重を15kg増量して挑み、ベテラン俳優たちをおさえ青龍賞主演男優賞および百想芸術大賞最優秀演技賞、アジア・フィルム・アワード最優秀主演男優賞を受賞。人懐っこい相棒チャンボクには「梨泰院クラス」(TVドラマ)の悪役が記憶に新しいユ・ジェミョン。監督は82年生まれの新人ホン・ウィジョン。犯罪映画の常識を覆すユニークな演出と個性的なキャラクター描写で、切なさとアイロニーの入り混じる全く新しい映画を作り上げ、初長編にして、韓国で最も権威のある青龍賞新人監督賞と、韓国のゴールデングローブ賞と呼ばれる百想芸術大賞監督賞を受賞する快挙を果たし、アジア全域のアカデミー賞と言われるアジア・フィルム・アワードで新人監督賞に輝いた。世界各国の映画祭で話題をさらった『はちどり』のキム・ボラ監督と並ぶ、80年代生まれの女性監督が彗星のごとく現れた。

監督・脚本:ホン・ウィジョン
出演:ユ・アイン、ユ・ジェミョン、ムン・スンア
2020年/韓国/99分

【上映】2/25(金)〜3/10(木)

【料金】通常料金

2月25日[金]公開 『パーフェクト・ノーマル・ファミリー』

パーフェクト・ノーマル・ファミリー

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10代の多感な少女の視点で描く、切なくも愛おしい家族の物語。新人女性監督が自らの実体験に基づいて紡ぎ上げた“普通で完璧”な家族のカタチ。

デンマークの郊外で暮らすエマは、地元のサッカークラブで活躍する11歳の女の子。幸せな家庭で充実した日々を送っていた。ところがある日突然、両親から離婚すると告げられたことで彼女の日常が一変する。しかも離婚の理由は「パパが女性として生きていきたい」だった…。ホルモン治療によって日に日に女性らしくなるパパのトマスが、やがて性別適合手術を受けるという現実をエマは受け入れられず、ひとり思い悩んで寂しさを募らせ、時にはやるせない苛立ちを爆発させる…。「大嫌い。パパなんか死んじゃえ!」。そう叫びながらも、本当はパパのことが大好きなエマが、幾多の葛藤の果てに気づいた自分の気持ちとは――。

デンマーク・アカデミー賞で9部門にノミネートされ、メイクアップ賞、児童青年映画賞を受賞した本作は、女優として活動したのち、数多くの短編映画を発表してきたマルー・ライマン監督の初長編作。近年、世界中でセクシャルマイノリティの多様性や人権に光をあてた映画が盛んに作られているが、本作はトランスジェンダーをカミングアウトする当事者ではなく、その娘である少女の視点で全編が語られる点が新鮮にしてユニーク。この90年代末を背景にした家族の物語は、11歳の時に父親が女性になった経験を持つライマン監督の自伝的な作品。自らの実体験に基づくエピソードをちりばめて、主人公エマの複雑な感情を繊細かつリアルにすくい取っていく。

監督・脚本:マルー・ライマン
出演:カヤ・トフト・ローホルト、ミケル・ボー・フルスゴー、リーモア・ランテ、ニール・ランホルト
2020年/デンマーク/97分/PG12

【上映】2/25(金)〜3/10(木)

【料金】通常料金

3月18日[金]公開 『ハッピーアワー』 【濱口竜介監督特集】

ハッピーアワー

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映画学校の生徒たちを起用した4時間を超える大作『親密さ』や、東北記録映画三部作(『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』)など、常に挑発的な作品づくりを続けてきた濱口竜介監督が手がけ、市民参加による「即興演技ワークショップ in Kobe」から誕生した総尺317分の大作。ほとんどの登場人物を演技未経験者がつとめ、これまでにない試みでつくりあげた三部構成の本作は、ロカルノ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した。30代後半の女性たちを主人公に、4人それぞれの家庭や仕事、人間関係を丁寧に描きながら、濱口竜介監督は、どこにでもいる“普通”の女性たちが抱える不安や悩みを、緊張感あふれるドラマとして見事に表現してみせた。今の私は本当になりたかった自分なのか?本当に伝えたいことを言葉にできているのか?ゆっくりと、迷いながら発せられる彼女たちの一言一言が、観ている者にスリリングな感動を届けてくれる。
30代も後半を迎えた、あかり、桜子、芙美、純の4人は、なんでも話せる親友同士だと思っていた。純の秘密を知るまでは……。

監督:濱口竜介
脚本:はたのこうぼう(高橋知由、野原位、濱口竜介)
出演:田中幸恵、菊池葉月、三原麻衣子、川村りら、申芳夫、三浦博之、謝花喜天、柴田修兵、出村弘美、坂庄基
2015年/日本/317分(第一部:106分/第二部:96分/第三部:115分)

【上映】3/18(金)〜3/24(木)

【料金】
1部毎:一般1,500円 / シニア1,200円 / 学生・会員1,000円
1日通し券(3部):3,000円
※1日通し券で、日をまたいだ鑑賞は出来ません。ご注意下さい。
※招待券・ポイントなどの無料鑑賞不可

3月25日[金]公開 『三度目の、正直』

三度目の、正直

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『ハッピーアワー』から7年――神戸を舞台に、それぞれの想いが交錯する群像劇

月島春は、パートナー宗一朗の連れ子・蘭がカナダに留学し、言い知れぬ寂しさを抱えていた。そんな時、公園で記憶を失くした青年と出会う。過去に流産も経験している春は、その青年を神からの贈り物と信じ、今度こそ彼を自らの傍で育てたいと願う。一方、春の弟・毅は音楽活動を続けている。その妻・美香子は精神の不調を抱え、心療内科医である宗一朗の診察を受けながら、4歳の子を育て、毅の創作を献身的に支えていた。すれ違う優しさとわだかまる不安…。それぞれに「家族」のかたちを求めて生きる彼らだったが、正常と狂気の境目がいつしか緩やかに崩れ始める。シリアスな題材を扱いながらも、どこか重喜劇を彷彿とさせる可笑しみにあふれ、何度失敗したとしても人生を改めて生きなおす人々の姿が等身大に描き出される。

本作は、黒沢清監督『スパイの妻』、濱口竜介監督『ハッピーアワー』の共同脚本を担当した、野原位監督の劇場デビュー作。『ハッピーアワー』で物語を牽引する「純」を演じ、第68回ロカルノ国際映画祭最優秀女優賞受賞のひとりとなった川村りらが主演、子どもを育てたいと切に願いながら、どこか狂気を宿した女性を鮮烈に演じてみせた。また、神戸出身の孤高のラッパー・小林勝行が俳優に初挑戦。自身を投影した役柄で劇中でもライブを披露、無骨ながら生々しいその存在感も見どころのひとつだ。『ハッピーアワー』から7年。今回は監督を務めた野原位、そして主演だけでなく脚本にも参加した川村りらをはじめ、俳優・撮影・照明・録音の制作チームが再び神戸に結集。日常に潜む心の機微を丹念に描く、もう一つの群像劇が誕生した。

監督・編集:野原位
脚本:野原位、川村りら
出演:川村りら、小林勝行、出村弘美、川村知、田辺泰信、謝花喜天、福永祥子、影吉紗都、三浦博之
2021年/日本/112分

【上映】3/25(金)〜

【料金】通常料金